東南アジアを熱波が襲っている。地域特有の湿気を加味した体感温度は29日にフィリピンで最高47度の予報となり、比教育省は30日まで国内の公立学校の対面授業を中止すると発表した。地元メディアは「気候変動の影響は顕著で、教育現場は、新型コロナウイルス禍でのオンライン形式に戻らざるを得ない」と報じている。
4~5月は東南アジアでは1年で最も暑い時期とされる。比メディアによると、首都マニラでは4月27日に最高気温38・8度に達し、1915年5月に記録された同市の過去最高気温38・6度を超えた。
比大気地球物理天文局によると、29日の体感温度予報は北西部ダグパン市の47度をはじめ、少なくとも国内22地域で最低でも43度に達する「危険レベル」となった。
フィリピンでは、ほとんどの公立学校にエアコン設備がなく、エアコンを持たない家も多い。人々は冷房で涼しいデパートに集まっているほか、子供たちは屋外での水浴びで暑さをしのいでいるという。
東南アジアでは、タイの首都バンコクでも24、25の両日に最高気温が40度を超えた。タイ政府によると、今年初めから4月17日までの熱中症による死者は30人にのぼり、早くも昨年1年間の37人に迫る勢いとなっている。
今週はカンボジアやミャンマー、ベトナムでも最高気温が40度近くになると予報されている。【バンコク石山絵歩】
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