アサド政権が崩壊した中東シリア情勢です。反体制派勢力を主導した組織のリーダーは「新たな歴史」だと述べ、勝利を宣言しました。

市民
「シリア万歳!アサドは倒れた!」

8日、「アサド政権崩壊」の一報が入り、喜びの声を上げる市民たち。

市民
「(アサド)政権が倒れるまでこの日を待ち続けてきました。そしてついに政権は倒れたのです」

陥落した首都ダマスカスでは、反体制派勢力を主導した「シリア解放機構」のリーダーが10年以上に及んだ内戦での勝利を宣言しました。

「シリア解放機構」 ジャウラニ指導者
「この勝利はイスラム世界にとって新たな歴史の1ページとなる。私たちはこの勝利によって13年間の苦しみから抜け出せるのだ」

アサド政権が2011年に起きた民主化デモを武力で弾圧したことをきっかけに内戦に発展したシリア。そこから13年の間にアサド政権が反体制派側に化学兵器を使用したとの指摘やシリアを脱出した難民の船が転覆し、トルコの海岸に3歳の男の子の遺体が打ち上げられるなど、凄惨な出来事も繰り返されてきました。

アサド大統領をめぐっては、ロシアの国営通信がこう報じています。

ロシア国営タス通信
「アサド大統領と家族がモスクワに到着し、亡命が許可された」

また、ロシア外務省は声明で、アサド大統領は“平和的な手段で権力移譲を実行するよう指示した”と明らかにしました。

ただ、今回の攻勢を主導した「シリア解放機構」がテロ組織に指定されていることもあり、今後、政権移譲がスムーズに行われるかどうかは不透明です。

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