韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」宣布を巡り、国会に投入された陸軍特殊戦司令部の特殊部隊「707特殊任務団」のキム・ヒョンテ団長は9日、記者会見を開いた。キム氏は、「隊員は前国防相に利用された最も残念な被害者だ。隊員には罪はない」と訴えた。
検察は8日、戒厳令を事実上主導したとして内乱罪や職権乱用罪で告発された、金龍顕(キム・ヒョンテ)前国防相を拘束した。
キム氏によると、戒厳令については3日午後10時半ごろの尹氏の談話発表で知り、その後、郭種根(カク・ジョングン)・特殊戦司令官から国会出動指示を受けた。ヘリコプターの運用が遅れ、午後11時50分ごろに国会に到着。国会構造がわからなかったため、現場では地図アプリを使用したという。
キム氏のもとには郭氏から1~2分おきに電話があった。午前0時~0時半ごろ「国会議員が(国会内に)増えている。150人を超えてはならない。引っ張り出せるか」と質問され、「難しい」と伝えたと説明。議員を制限する指示については、「金前国防相が(郭氏に)指示したようだ」と述べ、金氏が議員らが戒厳令解除要求の決議案を可決するのを懸念したとの見方を示した。
特殊部隊が「北朝鮮関連の任務」と言われ動員されたとの報道については、「北朝鮮関連の出動という話はなかった」と否定した。
キム氏は現場の指示は全て自分が行ったとし、「部隊員たちに罪があるなら、無能な指揮官の指示に従った罪だけだ。法的な責任は全て私が負う」と強調。「隊員の妻と子供たちが父親のニュースを見ている。国民の皆さん、隊員を許してほしい」と声を震わせた。 更に、「戒厳下でも国会活動は守らなければならないことをよく知らなかった。隊員を内乱罪になりうるような危険に陥れた」と謝罪した。【ソウル日下部元美】
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