内戦が続く中東シリアで、反体制派勢力が首都のダマスカスに向けて攻勢を強めていて、「首都包囲の最終段階に入った」と主張するなど、情勢が一層緊迫していています。
イギリスに拠点を置く「シリア人権監視団」によりますと、7日、シリア政府軍が首都ダマスカスに隣接する南東部の複数の地域から撤退したということです。
一方、反体制派勢力はダマスカスの近郊に到達したと主張したほか、「首都包囲の最終段階に入った」などと強調しています。
さらにダマスカスの北に位置する戦略的に重要な都市ホムスでは、反体制派勢力が市の北部と東部にあるシリア軍の防衛線を突破したとロイター通信が報じました。
シリア国営放送は反体制派勢力がホムス市内には到達していないとする一方、市郊外に進攻していることは認め、シリア政府軍と激しい戦闘になっていると伝えました。
こうした中、シリアのアサド政権を支援するロシアとイラン、反体制勢力に影響力を持つトルコの外相が7日、カタールの首都ドーハで会談しました。
会談の詳しい中身についてはわかっていませんが、イランのアラグチ外相は会談後、記者団に対して「紛争を終結しなければならないということで一致した」などと述べました。
ただ、ロシアのラブロフ外相は反体制派勢力について「テロリスト」だとしたうえで、「彼らが優勢になるのを防ぐために全力を尽くす」として、今後もアサド政権を支援する方針を示唆しました。
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