車から何か物を運び出す男たち。遺体を茂みに遺棄した際の映像だといいます。タイで日本人の男性の切断された遺体が見つかった事件。報道陣の前で容疑者の男が事件について語りました。

■遺体“運ぶ瞬間”カメラに複数回

 舗装されていない道路。白い車が走っています。やがて車を止め、何人かが車を降りて茂みに近寄ります。

 別の日の映像。赤い車が何かの場所を探すようにうろうろします。トランクからは黒い袋がはみ出ているのが見えます。

 2台の車が運んでいたのは“切断された遺体”とみられます。

 事の発端は1週間前にさかのぼります。場所はタイ・バンコク近郊。19日、子どもが切断された手首を発見。草むらで頭蓋骨や腕の骨も見つかりました。

 被害者はほどなく判明します。かばんを持ち、エレベーターに乗り込む男性。殺害された椛島良介さん(47)です。

■報道陣の前で“再現”容疑者の男

 ただ、この事件、容疑者もすぐ逮捕されることになります。

 多くのカメラを引き連れて現れたのは、逮捕された容疑者。カメラの前で警察が容疑者とともに取り調べを始めました。まさに“フルオープン”の取り調べで状況が分かってきました。

 タイ・バンコク近郊で椛島さんが切断された状態の遺体で見つかった事件。カメラは間近で容疑者を捉えます。

警察
「どこから降りた?」

容疑者
「運転席です」

 多くのマスコミが見つめるなか、警察に状況を説明するマスク姿の男。遺体を隠した容疑で逮捕されたタイ人の男です。

 警察と本物の容疑者の間で行われた取り調べ。日本でいう“実況見分”は記者も質問できるシステムです。

記者
「被害者はどこに座っていた?」

容疑者
「助手席です」

 容疑者は3人。逮捕されていない日本人も2人います。

容疑者
「3人が10分くらい話し合っていた。その後、銃声がした」
「(Q.君は車の中にいた?)いいえ、車の外でたばこを吸っていました」

 “フルオープン”で行われた再現により、状況が分かってきました。タイ人の男が運転する車に乗り、容疑者2人と被害者がバンコクの飲食店へ行ったのが先月26日のこと。その後、3人は車内で激しい口論となります。

 そして、現場となった倉庫へ。被害者を助手席に乗せ、銃で頭を撃ったといいます。遺体を倉庫で切断し、複数回にわたり遺棄したというのがこの映像です。

現地警察
「タイ人の容疑者は殺害に関与していないと言っている。運転手として雇われてアルバイト料は約1000バーツ(約4000円)だった」

■「4000円で依頼」 男の足取りは

 加藤容疑者と鈴木容疑者は暴力団関係者で、被害者も含め、3人は特殊詐欺グループのメンバーとみられています。3人の間には金を巡るトラブルがあったとみられています。

 事件後、鈴木容疑者が大量の荷物を持っている様子です。2人はその後、隣国ラオスへ逃げて警察が行方を追っています。

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