米連邦捜査局(FBI)本部に掲示されている紋章=2024年2月14日、秋山信一撮影

 米連邦捜査局(FBI)は2日、大統領選(5日投開票)を巡ってFBIから流出したように見せかけた2本の「偽動画」がインターネット上に出回っていると警告した。FBIなどは1日にも、ロシアの情報工作グループが作成した疑いがある偽動画の存在を公表しており、選挙干渉への警戒を強めている。

 米メディアによると、2本の偽動画は「FBIが期日前投票の不正を摘発した」「FBIが民主党候補のハリス副大統領の夫エムホフ氏に関する汚職の捜査を見送った」という内容だという。誰が作成したかは明らかになっていない。

 FBIは声明で「出回っている動画は本物ではなく、内容も虚偽だ。州などの法執行機関と協力し、選挙への脅威には対処していく」と強調した。

 米国では「不法移民が複数の偽造身分証を使ってハリス氏に投票した」「選挙管理当局者が期日前投票の投票用紙を意図的に破いて廃棄している」といった内容の偽動画が出回っている。選挙への信頼性を低下させ、米国の民主主義の基盤を揺るがす狙いがあるとみられるが、共和党のトランプ前大統領の支持者らが「不正の証拠」としてソーシャルメディアで動画を共有している例もある。

 FBIや情報機関は、ロシアやイランなどが選挙干渉を試みているとみて監視を続けている。【ワシントン秋山信一】

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