イランの最高指導者ハメネイ師は2日、「米国とシオニスト政権(イスラエル)などの敵は、イランや抵抗勢力に対して行ったことに対し、決定的な報いを受けると知るべきだ」と述べた。国営イラン通信などが伝えた。10月下旬にイスラエルが実施したイラン空爆に対する再報復を宣言した形だ。
報道によると、ハメネイ師はイスラエルや米国を念頭に、「イランは帝国主義に立ちむかうため、軍事的・政治的な準備を必ず行う。イランにとって残虐行為に立ちむかうことは宗教的義務だ」と述べた。
イスラエルは10月26日、イランが1日に行った弾道ミサイル攻撃に対する報復として、テヘラン近郊などの軍事施設を空爆した。ハメネイ師は27日、今後の対応は「政府当局者たちが決める」と語るなど、報復には慎重な姿勢を示していたが、指導部内で強硬な意見が強まったとみられる。
米ニュースサイト「アクシオス」は、イランが11月5日の米大統領選前にもイスラエルに報復攻撃を行う準備をしていると報じている。イラン国内からではなく、隣国イラク領内から親イラン組織などが攻撃することを検討しているという。
また、アクシオスは2日、バイデン米政権がイランに対し、仮に再報復すれば「イスラエルによる反撃を抑えられないだろう」と警告したとも報じた。紛争が激化すれば、イスラエルがイランの核・石油施設を攻撃し、全面衝突に発展する懸念もある。【カイロ金子淳】
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