性的人身売買などの罪で起訴されたショーン・コムズ被告=米西部カリフォルニア州ビバリーヒルズ2020年1月25日、AP

 米人気ラッパーで音楽プロデューサーのショーン・コムズ被告(54)が性的人身売買などの罪で起訴された事件で、新たに120人が過去20年以上の間に性的暴行などを受けたと訴えていることが明らかになった。米メディアによると、被害者らの代理人が1日、南部テキサス州で記者会見を開いた。11月までに訴訟を起こすとしている。

 被害を訴えているのは男性60人、女性60人。うち25人は、未成年のころに被害を受けたと主張している。代理人は、強姦(ごうかん)や性的虐待などを受けたといった声が届いていると説明。「我々は密室での行為を可能にした人物たちを暴露するつもりだ」として、複数の州で提訴する方針を明らかにした。

 これに対し、コムズ被告の代理人は声明を発表し、「根拠のない申し立てには対応できない」と表明。「未成年者を含む誰かに性的虐待を加えたという主張は虚偽であるとともに名誉毀損(きそん)で、コムズ氏は断固として否定する」とした。

 東部ニューヨークの連邦検察は9月17日、「ディディ」「パフ・ダディ」などの名で知られるコムズ被告が連邦地裁に起訴されたと発表した。公開された起訴状によると、2008年ごろから自身が作り上げた「犯罪集団」を通じて、性的人身売買や強制労働、誘拐、放火、贈賄、捜査妨害に関与したなどの疑いがある。

 コムズ被告を巡っては、既に複数の女性が性的暴行を受けたとして民事訴訟を起こしている。【ニューヨーク中村聡也】

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