レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘を巡り、イスラエル軍は1日未明、地上部隊をレバノン南部に侵攻させたと発表した。軍は声明で「限定的かつ局地的で標的を絞った攻撃」だとしている。イスラエル軍のレバノン侵攻は、2006年にヒズボラと交戦した第2次レバノン紛争以来。
パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘が飛び火した形で、中東での新たな紛争に発展する恐れがある。ヒズボラは予備役を含めて4万5000人の兵力を抱え、ガザ地区のイスラム組織ハマスを上回る軍事力を持つとされる。民間人が巻き込まれるとみられ、イランや近隣諸国の反発は必至だ。
軍の声明によると、今回の攻撃の標的は国境沿いの村にあるといい、イスラエルに対して差し迫った脅威をもたらしていると主張した。地上部隊を支援するため、空爆や砲撃も実施している。軍は「(自国)北部の住民を帰還させるために、あらゆることを行う」と強調。ガザ地区などでの戦闘と並行して行うとした。
地上侵攻に絡み、イスラエルのガラント国防相はオースティン米国防長官と電話協議した。昨年10月にハマスが実行したような越境攻撃を封じるため「国境沿いの攻撃インフラを解体する必要性」で一致。軍事作戦から外交的方策へ移行することの重要性も話し合った。【エルサレム松岡大地、カイロ金子淳】
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