中国軍はフィリピンと領有権を争う南シナ海で軍事演習を行ったと発表しました。南シナ海ではアメリカや日本なども共同訓練を行っており、これをけん制する狙いもあるものとみられます。

中国軍の南部戦区は28日、南シナ海のスカボロー礁近くの海空域で、偵察や早期警戒などの定期演習を行ったと発表しました。

中国とフィリピンが領有権を争うスカボロー礁は2012年から中国が実効支配を続けており、先月には中国軍機がフィリピン機に対し、熱と光を放つ「フレア」を発射するなど威圧的行動を繰り返しています。

こうした中、日本の防衛省は南シナ海で海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」がアメリカ、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドの海軍と共同訓練を行ったと発表しました。

訓練の目的について「航行の自由及び上空飛行の自由を支持するとともに国際法上の海上における権利を尊重する活動だ」としており、南シナ海で軍事的威圧行動を繰り返している中国を念頭に置いたものとみられます。

中国軍は今回の演習についての発表文の中で「中国はスカボロー礁とその近海に対する主権を有しており、国家の主権を断固として守る」としたうえで「域外の国が南シナ海に不安定要因を生み出している」と主張していて、日米などの共同訓練をけん制する狙いがあるものとみられます。

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