トランプ前大統領とハリス副大統領が、初の直接対決を果たしました。ずばり勝者はどちらなのか、外報部の中丸徹デスクに聞きます。
■勝者はどっち?
ずばり勝者はどちらなのでしょうか?
中丸記者「ハリス氏が思ったよりもよくやったという一方で、トランプ氏が自滅したことにより、結果、ハリス氏が勝者だと思います。
今回の一番のポイントは『ハリス氏が大統領して大丈夫なのか。トランプ氏のことはある程度知っているけど』ということでした。トランプ氏がそうしたハリス氏の細かい点を追及することができなかった。『最低の副大統領だった』と大雑把な批判をしたことで、ハリス氏としても『そうじゃありません』と議論がかみ合わなくなりました。逆に、トランプ氏が『移民が犬を食べている』と言い、司会者から『そういうことはありませんよ』と否定されてしまう場面もありました。攻め方を間違えたと思います。
一方のハリス氏は、『古いのはトランプ氏で新しいのは私』という未来志向のメッセージを出すことで、過去の政策の『言った言わない』『やったやらない』、そうした論争からうまく逃げ切ったなという印象です」
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■特に印象の残った「冒頭のあいさつ」■特に印象の残った「冒頭のあいさつ」
中丸記者が特に印象に残っている場面はありますか?
中丸記者「冒頭のあいさつのシーンです。2人は初対決どころか初対面です。まずハリス氏の方から歩み寄って握手をし、『カマラ・ハリスです』と名乗っています。『けんかをしにきたわけじゃないですよ』という温かい雰囲気がありました。
そして、討論の最後にそれぞれ一言いうんですけど、トランプ氏は最後までハリス氏を批判していたのに対し、ハリス氏は『アメリカは共和党も民主党もない。私のクライアントは国民です』ということで、アメリカを一つにする未来の大統領というポジティブなメッセージを出し続けることに成功しました」
■アメリカの世論はどうみた?
では、アメリカの世論はどうみたのでしょうか。CNNの緊急世論調査の結果が入ってきました。「討論会の勝者は?」という調査に対して結果は、ハリス氏が63%、トランプ氏が37%。けっこう差が開きましたが、中丸記者はどうみますか?
中丸記者「ダブルスコアと言ってもいいと思います。分かりやすいのが、バイデン氏VSトランプ氏だった時(1回目の討論会)、バイデン氏がちょっと言葉に詰まったりして老いが隠せないということで撤退まで追い込まれたきっかけにもなった討論会の結果というのは、実はトランプ氏が67%に対しバイデン氏が33%でした。ほぼ今回の逆です。つまりトランプ氏にとっては、バイデン氏が撤退を強いられたのと同様の明らかな負けに近い結果ということでは、かなり負けた数字と言っていいと思います」
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■テイラー・スウィフトも支持表明■テイラー・スウィフトも支持表明
討論会の直後には、歌手のテイラー・スウィフトさんが、ハリス氏支持を表明しました。1人の歌手の表明はどういった意味を持つのでしょうか?
中丸記者「1人の歌手と言いますけれども、テイラー・スウィフトさんはインスタグラムで2億8000万人のフォロワーを持っています。ほとんどアメリカ国民の数に近いといえます。当然、海外にもファンはいますが。特に注目されるのは、アメリカでミレニアル世代とかZ世代と言われる35歳以下ぐらいの若い層に影響力が強い。まだ政治的スタンスが定まっていない若い層には、トランプ氏やハリス氏というよりも『テイラーが支持するからハリス氏』という影響力が非常に大きいのではないでしょうか」
■10月のテレビ討論会がラストチャンス
ハリス氏優勢のまま進んでいくということでしょうか?
中丸記者「しばらくはハリス氏優勢でいくと思いますが、実は10月にもう一度テレビ討論会があります。投票日は11月5日ですから、最後の最後、直前にラストチャンスになります。トランプ氏は最近ネタ切れ気味で新しい打ち出しがないので、今回の結果を経てどんな作戦変更があって、何をしてくるか、最後のチャンスです」
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年9月11日放送)
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