演説するバイデン大統領=米東部ペンシルベニア州で2024年4月17日、AP

 米紙ニューヨーク・タイムズは19日、同日のイラン攻撃前に米政府がイスラエルに対し、死傷者を極力出さない作戦にとどめるよう促していたと報じた。複数の米政府関係者の話としている。

 報道によると、13日のイランによる大規模攻撃の後、イスラエルのネタニヤフ首相は、バイデン米大統領からイランのミサイルなどの大部分を撃墜したことを「勝利」と受け止め、反撃を自制するよう求められた。一方で国内の強硬派からはイランに対する抑止力を回復するため、強い反撃をするよう迫られていた。こうした中、米側はイスラエルに対し、死傷者を極力出さない形でイランへ「シグナル」を送るような作戦にするよう促したという。

 19日のイランへの攻撃後、米政府はほぼ沈黙を保っている。米紙ワシントン・ポストによると、バイデン政権は政府機関に公の場で今回の攻撃について話さないよう指示しているという。事態を沈静化させる狙いがあるとみられる。【カイロ金子淳、ワシントン松井聡】

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