米共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は5日、人気動画配信者とのインタビューで、南米ベネズエラは「独裁者に支配されている」と述べた。マドゥロ大統領を念頭に置いた発言とみられる。
「ベネズエラの現状をどう考えるか」との質問に自身の見解を述べた。トランプ氏は根拠を示さずに「彼ら(マドゥロ政権)が犯罪者を捕らえ、米国に移動させたため、ベネズエラでは犯罪が非常に減った」と発言。さらにベネズエラ人を「麻薬密売人、犯罪者、殺人者、強姦(ごうかん)魔」と呼び、「ありとあらゆる者が米国に流れている」と語った。
ベネズエラでは先月28日の大統領選で、選挙管理当局がマドゥロ氏の当選を発表。選管は詳細な集計結果を公表せず、国内外から「透明性に欠ける」との批判が強まっている。野党統一候補であるゴンサレス氏の陣営は、全国に設置された投票所の約8割の集計結果を独自入手し、ウェブサイトで公開。ゴンサレス氏が得票率67%で勝利したと主張している。
2013年に大統領に就任したマドゥロ氏は在任中に強権姿勢を強め、三権を掌握。軍や警察、選挙管理当局さえも影響下に置くとされる。トランプ氏は大統領時代にマドゥロ政権への圧力を強め、17年にマドゥロ氏の資産を凍結した。
ベネズエラは世界トップクラスの原油埋蔵量を誇るが、米国は19年、国営石油会社PDVSAに対しても経済制裁を科した。【ニューヨーク中村聡也】
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