バングラデシュで、ハシナ首相が辞任に追い込まれた反政府デモから一夜明け、現地に住む日本人はJNNに対し、暴動はいまも続いていると語りました。

バングラデシュの議会やハシナ首相の公邸になだれ込んだ数千人の市民。ハシナ氏の父で、「建国の英雄」とたたえられた初代大統領の像を破壊する人たちも。

バングラデシュ陸軍司令官
「首相は辞任した。我々は暫定政権を発足させ、国を(正しい方向に)導く役割を果たしていく」

15年にわたって長期政権を敷いてきたハシナ氏は5日、首相を辞任し、国外に脱出しました。

先月以降、全土に拡大した反政府デモによる死者は300人を超え、現地に住む日本人はJNNに対し、一夜明けても与党の関連施設への襲撃などが続いていると語りました。

現地で働く日本人女性
「銃声が聞こえて、本当に銃の音がするとか、あと(車を)燃やしたりしていたので、しばらくどうなるんだっていう不安を抱えるような現状になっています」

また、政治不安が広がるなか、イスラム主義が強い野党側に政権が移ることになれば、南アジアの地域情勢が変わる可能性があると専門家は指摘します。

防衛大学校 伊藤融教授
「(与党は)少なくとも日本とか西側とも話ができる政権だった。これが潰れてしまったことの意味は非常に大きいですし、この地域でいわゆるイスラム主義がまた強まるということになれば、地政学的に見たときにパキスタンや中国の影響力が強まる」

アメリカやイギリスなど各国は、暴動の激化に懸念を示したうえで、民主的なプロセスで政治体制を移行するよう求めています。

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