記者会見するロシアのネベンジャ国連大使=米ニューヨークで2024年7月1日、八田浩輔撮影

 国連安全保障理事会で7月の議長国を務めるロシアのネベンジャ国連大使が1日、記者会見した。ロシアと軍事協力を深める北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記について「西側が想像するよりはるかに聡明(そうめい)だ」と持ち上げた。

 北朝鮮の核実験を容認するかと問われた際の発言。ネベンジャ氏は明確な回答を避けつつ「誰に対しても(核実験を)勧めない」と述べ、「あなたたちは北朝鮮の指導者を過小評価し、単純化しすぎている」と続けた。

 北朝鮮に対する制裁の履行状況を調べる国連安全保障理事会の専門家パネルは、ウクライナに着弾した弾道ミサイルが北朝鮮製と断定する報告書を安保理に提出している。日米や韓国、欧州の理事国が制裁違反との批判を強めるなか、ネベンジャ氏はこれを「根拠がない」と重ねて否定。北朝鮮から第三国への武器の移転も「起こりえない」と語った。

 また、ウクライナ戦争を巡り、米国のトランプ前大統領が「私が大統領なら、24時間以内に終わらせる」と発言したことについて、「ウクライナ危機は1日で解決できるものではない」と否定した。

 安保理では今月半ばに予定されているパレスチナ情勢など複数の会合で、ラブロフ露外相が議長を務める。【ニューヨーク八田浩輔】

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