中国のSNS上で“ロシア人”を語る人物が中国語を流ちょうに話すフェイク動画が多数投稿されています。AIで作られたものとみられ、物議を醸しています。
「こんにちは。私は中国を深く愛するロシア人女性です」
ロシア人女性だとする人物が流ちょうな中国語を操り、“親中”をアピールする動画。中国のSNS上に投稿されたものですが…
記者
「こちらの動画、アカウントを開くとAI技術により作成されたと書かれています。そして、この『店舗』と書かれた部分を開くとロシア製品の宣伝が行われているんです。値段も書かれていて、ここから直接、物を買うことができるようになっています」
いま、中国のSNS上にはこうしたAIが作成したとみられる“ロシア人”がロシア製品を宣伝する動画が多数投稿されています。
中国に好意的な発言を“ロシア人”がしているように見せることで、ロシア製品の販売向上につなげたい狙いがあるとみられます。
“ロシア人女性”
「私は中国で結婚したいです」
しかし、こうした動画に実在する人物の顔が使われる問題が起きています。
こちらの動画、ウクライナ人のオルガさんの顔と声が勝手に使用され作られたものでした。
ウクライナ人 オルガさん
「最初はちょっと混乱して、冗談だと思いましたが、みんなが送ってきたビデオを見ると、私のクローンがロシア製品を宣伝していたのです」
オルガさんが去年、ユーチューブで映像を配信し始めた直後から動画が中国で出回るようになったといいます。
SNS上に拡散した動画の中には、こんな発言をしているものも…
オルガさんの顔を勝手に使ったとみられる動画
「ビッグニュースです。アメリカはついに重大な問題を認識したようです。彼らは、もしロシアが国際取引に人民元を使い始めたら、ドル崩壊のリスクがあると懸念しています」
“ロシア人”フェイク動画をめぐっては、ウクライナ侵攻をめぐりロシアを制裁する西側諸国を批判するものもあり、プロパガンダに使われている可能性も指摘されています。
オルガさん
「プロパガンダの目的が多分にあるようです。私はこのようなことを言う人間ではない。私がそのようなことをすると思ってほしくもない」
こうした動画が増えた背景にはAIソフトの普及があります。
作り方指南動画
「今紹介しているリアルタイム映像(顔交換ソフト)は、かなりよくできています」
SNS上には作り方を指南する動画も多く投稿されていて、一般ユーザーは手軽に顔や声を入れ替えた動画を作れるようになっています。
中国メディアもAIによるフェイク動画の問題を取り上げていて、ネット上には戸惑いの声も。
ネット上の声
「AI使った詐欺を防ぐにはどうしたらいいの?」
「なんてこった、こわい」
AI技術の発展が生み出した新たな問題。アプリの運営側も注意喚起を行うなどして対応にあたっていますが、追いついていないのが現状です。
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