パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘を巡り、イスラエルのネタニヤフ首相は24日、イスラエルの提案としてバイデン米大統領が発表した停戦案の合意に向け「努力しており、我々の立場は変わらない」と強調した。前日の地元テレビでのインタビューでは、イスラム組織ハマスが拘束する人質全員を解放し、恒久的な停戦につなげる案に消極的な発言をしたが、これを修正した。その上で、ハマスを壊滅させるまでは戦争を終わらせないと述べた。
バイデン氏が5月末に発表した停戦案は、第1段階の休戦中に人質の一部を解放した後、第2段階で「恒久的な敵対関係の解消」を実現するものだ。ただネタニヤフ氏は23日「人質の一部を解放する部分的な合意をする用意はある。一時停戦後も戦闘を継続する義務がある」と発言。バイデン氏が発表した停戦案と矛盾するような発言で、ハマスは「イスラエルが停戦案を拒否している証しだ」との声明を出していた。
一方、イスラエル軍のハレビ参謀総長は24日、最南部ラファのハマスの部隊を解体したと言える段階まで近づいていると述べた。ハレビ氏は「テロリストがいなくなったという意味ではなく、戦闘部隊として機能しなくなったという意味でハマスは敗北した」と語った。
イスラエル軍は24日もガザ各地で攻撃を続けた。ロイター通信は、イスラエル軍がガザ北部などを空爆し、少なくとも11人が死亡したと報じた。ガザ保健当局は24日、昨年10月以来のガザ側の死者数は3万7626人になったと発表した。【エルサレム松岡大地】
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