イスラエルによるイランへの反撃が注目されるなか、イスラエルのシンクタンクに所属する専門家は、「反撃しないことは、イランに誤ったメッセージを送ることになる」などとし、「何らかの軍事的な対応が必要だ」との考えを示しました。
取材に応じたのは、イスラエルの有力な安全保障系シンクタンクでイランを専門に研究しているベニ・サブティ氏です。
イランは報復攻撃の前後にアメリカと間接的なやりとりをしていたと指摘されていますが、サブティ氏はこれについて、「イランの現体制維持のためには、アメリカやイスラエルからの即時の反撃は絶対に避けたいという狙いがあった」との見方を示しました。
イスラエルのシンクタンク所属 ベニ・サブティ氏
「イラン国民の多くは、現体制を支持していません。現体制には、もしも反撃されれば市民が混乱に加わり、体制の維持が危ぶまれるという考えがあったのだと思います」
今回の報復でイランが発射したミサイルやドローンは350以上。サブティ氏は、「ほとんどの迎撃に成功できたことよりも、イギリスやフランス、ヨルダンなどの国々からの協力を得られたことが重要だ」と述べました。
そのうえで、ガザ侵攻をめぐりイスラエルの対応に度々苦言を呈してきたこれらの国々が迎撃に加わったことは、「イランにとって想定外であり衝撃的だっただろう」と分析しています。
イスラエルのシンクタンク所属 ベニ・サブティ氏
「イランはイスラエルを批判してきたこれらの国々が今回イスラエルの防衛に協力しイスラエルを擁護したのを見て、非常に驚いたはずです。この連合は今後の抑止力をもたらしたと思います」
そして、注目される今後のイスラエルの対応については。
イスラエルのシンクタンク所属 ベニ・サブティ氏
「イスラエルが反撃しないとイランは誤ったメッセージを受け取ることになり、そうなればハマスのようになるでしょう。頻繁にミサイルを発射してくることになりかねません」
サブティ氏は、反撃しなければ「抑止力が成り立たなくなってしまう」などとし、「何らかの軍事的な対応が必要だ」との考えを示しました。
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