イスラエル軍の攻撃後、がれきの中を歩く女性と子ども=パレスチナ自治区ガザ地区のヌセイラット難民キャンプで2024年6月9日、ロイター

 パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘を巡り、イスラム組織ハマスと過激派組織イスラム聖戦は11日、共同声明を出し、イスラエルが提案したとされる停戦案に対する回答を仲介国のカタールとエジプトに提出したことを明らかにした。全面的な合意には至っていない模様だが「合意に向けて前向きに対処する用意がある」としている。

 共同声明では、優先事項は「恒久的な停戦だ」と改めて主張した。ハマスの報道担当、オサマ・ハムダン氏もレバノンのテレビ局の取材に「仲介国にいくつかの意見を提出した」と述べた。

 カタール外務省は、エジプトとともに、ハマスから回答を受け取ったと公表。対応を検討中で合意に達するまで努力を続けると表明した。米国のカービー大統領補佐官もハマスからの回答を受け取ったと発表。回答は有益なものだったとした。

 バイデン米大統領が、イスラエルが提案したものだとして5月末に発表した停戦案は3段階からなる。第1段階の休戦中に一部の人質を解放した後、第2段階で「恒久的な敵対関係の解消」を実現するとしている。ハマスはイスラエルの攻撃再開を懸念し「恒久的な停戦の保証」を要求。ネタニヤフ首相はハマスの壊滅を目指す姿勢を崩していない。【エルサレム松岡大地】

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