【カイロ=佐藤貴生】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は15日、イランによるイスラエル攻撃を巡り、サウジアラビアなどアラブ諸国が攻撃計画の概要やレーダー情報を米国・イスラエルと共有して支援したと報じた。
米国はイスラエルと親米アラブの軍事同盟創設を目指しており、イランのイスラエル攻撃が実戦での初の連携になったという。
同紙によると、1日に在シリア大使館が空爆されイランが報復を言明すると、米国はアラブ諸国にイランの攻撃計画の共有と、ミサイルなどを迎撃するための支援を求めた。
アラブ諸国はイランの攻撃対象になることを恐れ、当初は消極的だったが、サウジとアラブ首長国連邦(UAE)が水面下での情報共有に同意した。ヨルダンは米国などの軍用機の領空使用を許可した。
イランは攻撃開始の2日前、サウジなどに計画の概要と時期を説明した。その情報は米イスラエルに渡され、米国は航空機やミサイル防衛の関連施設を再配置し、イスラエルとアラブ諸国の連携も調整した。
イランの13日の攻撃開始後、ミサイルや無人機は発射直後からペルシャ湾岸諸国の早期警戒レーダーが捕捉。飛行情報はカタールの米軍基地を経てヨルダン上空の米軍用機や東地中海の軍艦のほか、イスラエルのミサイル防空システム運用当局にも渡った。
同紙は米当局者の情報として、イランの弾道ミサイルの5割は発射に失敗したか、標的に届かなかったと伝えた。
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