バイデン米大統領は4日に掲載された米誌タイムとのインタビューで、イスラエルのネタニヤフ首相が政治的な保身のために、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘を続けているとの見方について「コメントはしないが、人々がそう結論付ける理由は十分にある」と述べた。今回の発言は、国内外で広がるネタニヤフ氏に対する懐疑的な見方を反映したものと言えそうだ。
ネタニヤフ氏が率いる連立政権には、ガザでの戦闘の継続を求める極右の閣僚が含まれている。極右の閣僚はネタニヤフ氏に対し、停戦に応じれば政権から離脱すると警告している。米紙ニューヨーク・タイムズによると、米政権内では、ネタニヤフ氏が政権を存続させるために戦闘を続けていると内々に語る人が多くいるという。
インタビューは、バイデン氏が「イスラエルの提案」だとして停戦案を発表する以前の5月28日に実施された。バイデン氏はイスラエル軍の行為が戦争犯罪に当たるかどうかは「確かではない」とする一方、人道危機を引き起こしているイスラエルの行為は「不適切」だと批判した。
さらに2001年の米同時多発テロ後に米国が、アフガニスタンやイラクで戦争を始め泥沼化した経験を引き合いに出し、「我々と同じ過ちを犯してはいけない。そして、彼らは過ちを犯していると思う」との見方を示した。
バイデン氏は4日、記者団から、ネタニヤフ氏が政治的な目的から戦闘を継続していると思うかと問われた際には「そうは思わない。彼は深刻な問題を解決しようとしている」と述べるにとどめた。【ワシントン松井聡】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。