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 北朝鮮が連日、韓国に向けて飛ばしていた“汚物風船”に対し、韓国政府が猛反発。しばらく封印されてきた拡声器による宣伝放送の再開を報復として検討し始めた。

■韓国の各地に飛来…兵士が対応

巨大風船 この記事の写真

 2日に、韓国のレーダーが捉えた映像。漂っているのは風船だ。

 巨大風船が街中に着地。対応にあたるのは、韓国軍の兵士たちだ。

風船につるされていたゴミ

 多くの市民が見守る中、風船につるされていた袋から出てきたのは大量のゴミ。よく見ると、紙きれや布きれ、ビニールなどが確認できる。

たばこの吸い殻も

 他には、たばこの吸い殻や汚物のようなものも入っていたという。

韓国軍の爆弾処理班が出動

 また、別の場所では韓国軍の爆弾処理班までが出動し、ゴミを調べていた。

 こうしたいわゆる汚物風船は、先月28日から今月2日にかけて韓国各地で確認され、その数はおよそ1000個にも及んでいるという。

 飛ばしたのは、北朝鮮だ。

金正恩総書記の妹 金与正(キム・ヨジョン)氏 金正恩総書記の妹 金与正(キム・ヨジョン)氏
「汚物は誠意の贈り物だと思って拾い集めるべきだ」

 北朝鮮の金正恩総書記の妹・与正氏は、ゴミをつるした風船を韓国に向け飛ばしたことを認めた。

韓国の脱北者団体が“風船”で飛ばしたもの

 その背景にあるのは、韓国の脱北者団体への報復だ。

 この団体は先月10日、北朝鮮の体制を批判するビラ30万枚とK−POPの動画などを保存したUSBメモリー1000個を風船で北朝鮮に向けて飛ばしていたのだ。

 北朝鮮からの汚物風船による挑発を受け、韓国政府は4日、大きな決断を下した。それは…。

韓国国防省 チョ・チャンレ国防政策室長 韓国国防省
チョ・チャンレ国防政策室長

「南北間の相互信頼が回復するまで、9.19軍事合意すべての効力停止を決めた。韓国軍は北朝鮮の挑発について、国民の生命と安全を守るために、必要なあらゆる措置を講じていくことを明らかにする」

 韓国側は北朝鮮の挑発行為に対し、2018年の首脳会談で結んだ南北軍事合意の効力を全面的に停止すると閣議決定した。

 これにより、陸海空の境界付近での一切の敵対行為の全面停止は解かれることになる。

 韓国側は軍事境界線付近や島しょ部一帯での訓練を再開する方針を示している。

大音量のスピーカー

 また、軍事境界線近くで北朝鮮に向けた大音量のスピーカーによる宣伝放送について、いつでも実施できるよう準備しているとしている。

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■北朝鮮に向け、宣伝放送の再開検討

■北朝鮮に向け、宣伝放送の再開検討

韓国政府は4日、南北軍事合意の全面停止を決定

 韓国と北朝鮮双方が報復を宣言し、緊張が高まっている。

 韓国政府は4日、南北軍事合意の全面停止を決定。この南北軍事合意とは、2018年に文在寅(ムン・ジェイン)前大統領と金正恩総書記が合意したもので、ビラまきや拡声器による宣伝放送なども含めた南北の敵対行為を禁じる内容だ。

韓国政府は、拡声器による宣伝放送の再開を検討

 これが、今回の出来事で状況が一変することになった。

 韓国政府は、拡声器による宣伝放送の再開を検討している。

 「コリア・レポート」編集長の辺真一さんによると、この放送の内容とは金正恩政権の実態や韓国での暮らしなどの情報をK−POPや世界のニュースなどを織り交ぜながら放送されるという。

辺さん「拡声器の宣伝放送は金正恩氏にとって絶対にやってほしくない行為」

 辺さんは、この拡声器での放送について、「20キロ先まで届く音量で夜に放送されると、北朝鮮の兵士たちは寝ることもできず、精神的なダメージも大きい。放送内容に影響を受け韓国に憧れて脱北した兵士もいるので、拡声器の宣伝放送は金正恩氏にとって絶対にやってほしくない行為」なのだという。

拡声器の放送が再開されたら?

 では、もし拡声器の放送が再開されたら、どうなるのだろうか。

 辺さんは、「金正恩氏は核保有を明言しているため強気。韓国軍が拡声器の宣伝放送を再開するとなると、報復としては黄海上の島のどこかに砲弾を撃ち込むといった恐れがあり、非常に危険な状況になっている」と懸念している。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年6月5日放送分より)

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