国連衛星センター(UNOSAT)が発表したガザで破壊された建物の分析。赤が濃いほど全壊した建物が密集している地域を指す=UNOSATのホームページより

 国連衛星センター(UNOSAT)は、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まった昨年10月以降、パレスチナ自治区ガザで全建物の55%が被害を受けたとする分析を発表した。

 戦闘開始前と今年5月3日までに撮影された複数の衛星画像を比較した。被害を受けた建物の合計は13万7297棟で、このうち3万6591棟が全壊、1万6513棟が甚大な被害を受けたとした。

 今年2月末までの状況に基づく分析では、被害を受けた建物の割合は35%だった。約2カ月間でガザ中部から南部にかけての被害が大きく拡大した。いずれも分析は予備的なもので、現地調査で確認されていないと注記した。

 国連開発計画(UNDP)などが5月初めに発表した報告書によると、ガザ地区でイスラエル軍の攻撃によって破壊された建物などのがれきを撤去し、再建するには早くても2040年までかかるとの見通しを示した。【ニューヨーク八田浩輔】

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