SNSで過熱する“子持ち様”論争についてお伝えしたところ、大きな反響がありました。視聴者の皆さんから約2500件のメッセージが届きました。
■ “子持ち様”支える側の声「独身なんだから…」
視聴者の皆さんからいただいた、“子持ち様”に対する声です。
“子持ち様”に対する声「育休などは充実してるが、それを当たり前だと思っている人が多すぎる。申し訳ないが、『どうしてもあなたに子どもを育ててください』とは言っていないので、育休や急な休みを取る人は会社にいらない」 「子持ちのパートの方が、仕事休みたい時に『独身なんだから稼ぎたいでしょ』と無理やり仕事させられた」 「“子持ち様”が急に休むと、もともと休日の人間が呼び出される。介護職は常に人員不足なので、いつ呼ばれるかと休みも気が休まらない」 「代わりにやってもらった仕事についてお礼を言わない人や、子どもがいるから仕事を代わってもらうのは当たり前、という感覚の人もいる」 この記事の写真は15枚
■子を持つ・持ちたい側の声
子どもを持つ方や、子どもを持ちたい方の声です。
子持ち側の声「上司に(子どもが)学校で発熱したため、会社を早退する旨を話したら『お前の仕事を代わりにやるやつを探してから帰れ』と言われた」 「子どもたちが順番に熱を出し仕事は長期欠勤。復帰したときに、周囲から嫌な顔をされる。申し訳ない気持ちでいっぱいなのに…」 子どもを持ちたい(幼稚園勤務)
「妊娠していないが、職場から『子どもが欲しいなら辞めてもらいたい』と言われたので、3月末で退職した。働きながら子育てできる人がうらやましい」
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■「“子持ち様”論争…背景に『子持ち世帯』減少」■「“子持ち様”論争…背景に『子持ち世帯』減少」
“子持ち様”論争の対立はなぜ起こるのでしょうか。背景のひとつに子持ち世帯の減少があります。子持ち世帯の割合は1986年には46.2%でしたが、2022年には18.3%と初めて20%を下回りました。
子どもが2人いる方の声です。
「私も子どもがいなかった時は、職場で子持ちの人に『また休むの?』と思っていた。どうしてもその立場になってみないと、分からないことだと思う」 東京大学大学院の山口教授「自分自身も周りも、子どもがいたことがない人が増え、子どもを持つ人の状況がわかりづらかったり、共感しづらかったりすることも論争の一因として考えられる」
■“生涯子供なし”4人に1人
日本は生涯子どもを持たない人の割合が増えてきているといいます。そして、今の40〜50代は、1986年の『男女雇用機会均等法』施行後に社会に出て、仕事か出産かを迫られた世代です。SNSの声です。
60代女性「子どもを産んで、正社員を続けるなんてことは非常に困難。結婚したと言うだけで、上司から『なぜ辞めないで会社に居座る』的な酷い嫌がらせを受けた」 40代女性
「適齢期の頃はサービス残業・仕事最優先の時代だった。婚活や不妊治療のために肩身が狭い思いをした」 40代女性
「若手の時はパワハラ・セクハラされ、低賃金で毎日深夜まで働き、体も心も壊し、どうにか仕事頑張っても、子どもはもう無理。諦めるしかなかった」
視聴者の皆さんからの声です。
出産を選んだ人「30年前に(子どもができたとき)『育休を取らせないといけないという法律はない』と退職させられた」 40代後半の専業主婦
「妊娠し会社をやめました。当時は産休育休をとれる環境がなかった。やめたくなかったが、やめざるを得なかった」
■偏る負担 育休後の壁「マミートラック」
子育ての負担について視聴者の皆さんからの声です。
60代の元公務員「女性は男性の3倍働いている。男性は仕事だけしていて、女性は仕事を同等にした上に、家事・子育て…この時点で3倍。これに介護が入り4倍になった時、体が壊れて退職した。私が働いてきたこの40年、何も社会的に変わっていない」 「“子持ち様”論争に男性の存在感がないのがいつも不思議。お迎えや病気の時など、夫婦間で分担すればお互いの職場への影響は半分になるはず」
マミートラックという問題があります。マミートラックとは『母親となった女性社員が、産休や育休から復帰後に自分の意思と関係なく、職務内容などが変わり、キャリアアップが困難になること』です。
実際に育休後に『壁』に直面したという調査です。「かなりある」「ややある」という人が、約8割いました。この中で「育休前に積み上げたキャリアが維持されない」と答えた人が約半数いました。
SNSの声「積み上げたキャリアを妊娠出産が原因で部署移動。悔しい思いをしました。子どもがいると時短勤務を余儀なくされ、今まで通りの仕事はできず、肩身の狭い日々。嫌気がさしてその仕事を辞めてパートをしています」
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■育休中の給与どこに?他の社員への還元は■育休中の給与どこに?他の社員への還元は
育休中の社員のフォローについてです。
育休中の社員を支える側「育休を取得した人がいる職場に残された人たちにも、負担分の手当が出ても良いのでは」
育休中の社員に対しては、雇用保険から『育児休業給付金』が支給されます。その間、会社は育休中の社員の給与や社会保険料を支払う義務はありません。
そのため会社側が人材の補填など行わない場合は、育休中の社員の人件費が浮くことになります。社員の育休取得により浮いた金額は、国内全体で年間約1兆714億円〜1兆5000億円という試算があります。
東京大学大学院の山口教授「ある企業の話では、浮いた金額は会社全体が吸収してしまっているという。プラスαで手当を出すなど、現場の負担感を和らげるために活用するべき」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年5月8日放送分より)
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