福岡市博多区の複合商業施設「キャナルシティ博多」内の宝飾品店で2023年1月、ネックレス約160点(計約2500万円相当)が盗まれた事件で、福岡県警は近く、福岡市の無職の男性(29)=別の窃盗罪などで公判中=を窃盗と建造物侵入の容疑で再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で判明した。
事件は23年1月11日未明、施設1階の宝飾品店で起きた。閉店後の無人の店内で、出入り口付近のガラスが割られ、ショーケースから大量のネックレスが盗まれた。わずか数分間の犯行だったとみられ、当初は捜査の難航も予想された。
しかし、その後の捜査で、被害品の一部であるネックレス40点超が別の20代男性=盗品等保管罪で有罪確定=方から見つかった。20代男性は「アクセサリーが入った袋を知人から預かっただけ」などと供述。県警が交友関係の捜査や防犯カメラ映像の分析を進めたところ、無職男性の関与が浮上したという。
捜査関係者によると、無職男性は県内で別の複数の店舗荒らしなどを繰り返したとして逮捕、起訴され、福岡地裁で公判が進んでいる。20代男性には偽名を使って被害品のネックレスの一部を預けていたという。残りの被害品は関係先を捜索しても見つかっておらず、県警は無職男性が別の「預かり役」に渡して既に換金した可能性もあるとみている。ネックレス窃盗事件の後、無職男性が九州最大の歓楽街、福岡・中洲のキャバクラなどで飲食を繰り返していたことも確認されたという。【河慧琳】
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