野村証券の元社員が強盗殺人未遂の罪などで起訴された事件。3日午後、社長らが会見し謝罪しました。

■野村証券社長が謝罪 報酬一部返上

野村証券 奥田健太郎社長
「当社元社員が逮捕・起訴される事案において、被害者の皆様、多くの関係者の皆様にご迷惑とご心配をおかけしましたこと深くおわび申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」
「今回の事件は当社を信頼して取引をいただいているお客様の大切なご資産をお預かりしている金融機関として絶対にあってはならない事態。大変重く受け止めております」

 今年7月、広島市内で発生した住宅火災。放火の罪などで起訴されたのは、事件当時、野村証券の社員だった梶原優星被告(29)でした。

 野村証券の社員として、この家に出入りしていた梶原被告。

 今年7月28日、顧客である80代の夫婦の家からおよそ1800万円を奪ったうえ、寝室の押し入れに火を付けて、妻を殺害しようとした罪に問われています。

 起訴状などによると、夫婦の食事に睡眠作用のある薬物を混入させていたということです。

近所の人
「(警察は)放火っていうか…単に家から出た火ではないと言っていた」

 梶原被告は当時、野村証券の営業職。大手証券会社の信用を背景に多額の資産を扱い、同時に顧客の自宅を訪問するなど、個人情報を知る立場にありました。

近所の人
「営業の人がっていうのを聞いて余計、家を出入りしている人がやったというのがそれはそれですごく怖いと思った」

野村証券 飯山俊康副社長
「元社員は2018年4月、当社に新卒で入社。2022年4月より広島支店にて個人法人の客の資産管理のアドバイスを行う業務に従事していた」

 警察によると、現場検証の結果は放火の可能性を示していて、犯行時刻の前後には、梶原被告以外の訪問者がいなかったといいます。

■顧客情報の悪用 どう防ぐ?

野村証券 奥田健太郎社長
「(Q.訪問営業、証券業界では他の企業もやっている。顧客との信頼関係を築くという意味で対面という手法が取られている)業界全体、あるいは金融界に対しての付き合いの仕方、ビジネスのやり方についての不安感というのを客に感じさせてしまったことについては本当に重く受け止めている。そもそも金融機関というのは信頼、安心して取引をしてもらえることで成り立っているので、信頼回復についてはしっかり取り組んでいきたい」

 野村証券は、再発防止策についてこのように説明しました。

野村証券 杉山剛専務
「今後は客に接触する社員を対象に、業務時間内の行動予定のより厳格な管理を行っていく。会社が貸与する携帯電話、ドライブレコーダー等のデータを活用し、業務時間内の客の訪問面談などの行動を効率的にモニタリングすることで、管理者が社員の不審な行動を早期に検知する機能を強化する」

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