東京・歌舞伎町の「トー横」、大阪・ミナミにあるグリコ看板下の「グリ下」――。
大都市では、家庭や学校に居場所がない若者らが深夜に集うたまり場が犯罪の温床になっていると指摘されており、九州最大の繁華街、福岡・天神の警固(けご)公園もその一つ。
夜な夜な公園に集まる若者は「警固界隈(かいわい)」と呼ばれ、犯罪に発展するケースも出ていることから警察や支援団体が対策を強化している。
「地雷系」と呼ばれる黒を基調としたファッションの愛好者で集まろう――。少年少女らが警固公園に集まるようになったのは、2021年10月ごろにSNS(ネット交流サービス)で拡散された、そんな投稿がきっかけだったとされる。
だが、同じ趣味を持つ仲間たちで親交を深めるためだった場は次第に状況が変化していった。
居場所のない未成年の子たちが集まり、リストカットやオーバードーズ(薬物の過剰摂取)を繰り返すケースが確認された。
23年6月には出会い系アプリを通じて公園近くに呼び出された男性会社員が殴られ、現金を奪われる事件が発生。福岡県警は当時15~19歳だった男女4人を強盗致傷容疑で逮捕した。
生きづらさに悩む警固界隈の若者らを支援する動きもある。
福岡市のNPO法人「あいむ」は夜間に公園を見回り、少年らに食事や宿泊場所を提供し、非行防止や犯罪に巻き込まれないための対策に力を入れる。
県警は11月15日、公園の実態把握や犯罪防止を目的に約40人態勢で一斉補導を実施。大規模な一斉補導は23年夏以来で、喫煙や深夜徘徊(はいかい)などで小学6年生の児童を含む24人を補導した。【栗栖由喜、佐藤緑平】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。