沖縄県宮古島市全域で25日午前3時過ぎから8時間半にわたって続いた大規模停電で、沖縄電力は同日夕、市内にある宮古第二発電所内で発電機と送電線をつなぐ「母線」と呼ばれる設備の故障が原因だったと発表した。なぜ故障したかは現時点で不明。横田哲副社長は浦添市の沖電本店で会見し「宮古島の皆さんに不便をかけたことを深くおわび申し上げる」と謝罪した。
宮古島市ではほぼ全戸に当たる約2万5500戸が一時停電した。
県内では昨年から大規模停電が相次いでいる。昨年9月に金武火力発電所のトラブルで約2万9千戸(18市町村)、同年11月には吉の浦火力発電所のトラブルで11万8800戸(21市町村)が影響を受けた。さらに同年12月には忘年会シーズンの週末金曜に那覇市安里の繁華街の栄町で230戸が停電した。
同社は発電に必要な燃料費の高騰を受け2022年度に500億円を超える赤字となり、経営を立て直すため23年6月に燃料費の増減を反映する新たな料金体系を設定。黒字転換のため、値上げと同時に経費削減にも取り組んでいる。
横田副社長は経費削減と停電との関連性については「われわれの使命は電気の安定的な供給。経費削減の中で設備点検を怠った、修繕がうまくいってないという認識ではない。その点は自信を持って対応できていると言える」と否定した。
宮古島市の座喜味一幸市長は停電を受けて発表したコメントで、医療機関が診療を制限するなどの影響が生じたことについて「日常生活で医療ケアを必要とする市民にとって、停電は生命の危機に直面する可能性がある」と指摘。「電力供給が市民の生活に直接関わっていることを再認識し、二度と原因不明の長時間停電とならないよう再発防止に努めてほしい」と遺憾の意を示した。
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