沖縄JTBが今帰仁村の古宇利島沖に計画している人工浮島(ポンツーン)について、古宇利区は21日の定期総会で、計画に反対する決議案を賛成多数で採択した。現場付近にモズクの養殖場のほか、タコ漁や刺し網漁の漁場があることから、計画によって自然環境と生態系に重大な影響を及ぼす恐れがあると懸念を示した。
JTB側は1月に区民を対象に開いた説明会で、環境に配慮し汚水は放出しないことなどを説明。その後、シャワー排水を海中放出するとの報道があり、区民の不信感が高まった。
定期総会には区民54人が参加し、大半の区民が決議に賛同。約80人の委任状が集まった。反対決議は早ければ23日にもJTBと村や村議会に送付する予定。
玉城章古宇利区長は反対決議の提出理由について「後世に豊かな自然を残さないといけない責任がある」と強調。JTB側から「住民の反対を押し切ってまで事業を進めない」との説明を受けたとし、「反対決議を踏まえて計画を中止してほしい」と求めた。
計画を巡っては漁業権を持つ今帰仁、名護、羽地、本部の4漁協が6月の通常総会で事業の賛否を議論する予定。
JTBの担当者は「漁協の総会も行われていない中では何とも言いようがない」とし、4漁協の判断を加味して対応する考えを示した。桂原耕一社長は「ご意見を真摯(しんし)に受け止め対話を続け、理解が得られるよう努めていく」とコメントした。
署名サイト「Change.org(チェンジドットオーグ)」には、22日までに、設置へ反対する署名1万1千筆以上が集まった。
(北部報道部・松田駿太、政経部・大川藍)
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