各地の震度

 9日午後7時57分ごろ、神奈川県で震度5弱を観測する地震があった。震源は神奈川県西部で、震源の深さは13キロ。地震の規模を示すマグニチュード(M)は5・3。津波の心配はない。

 気象庁によると、今回の震源は南海トラフ地震の想定震源域の外。8日に宮崎・日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生したばかりだが、関連はあるのだろうか。

 山岡耕春・名古屋大名誉教授(地震学)は「南海トラフ地震は基本的に伊豆半島を越えることはなく、想定震源域とも異なり距離も離れていることから、8日の日向灘の地震との関係はない」とみる。「首都圏で起きた地震としては、何年かに1回しか起きない、割と大きめとはいえる。今回はどちらかというと首都直下地震の候補になるとみられるが、地震の規模は小さく、想定されていた首都直下の地震ではない」と話した。

 東北大の遠田晋次教授(地震地質学)は「今回の震源は地殻内の浅い場所。日本列島ではM5級の地震は平均3日に1回起きている。通常の地震活動の一つだろう」と分析した。

 「東日本大震災のようなM9級の巨大地震であれば地震の波が通過し、遠方で地震を誘発することがあるが、日向灘地震の規模や距離、南海トラフ地震の想定震源域の外で発生したことから考えると、関連性や影響は考えにくい」とした。

 京都大防災研究所の伊藤喜宏准教授(地震学)も8日の地震との関係について「直接誘発された可能性は低い。距離も離れている」と話した。

 一方で、今回の地震が相模湾の海底下でフィリピン海プレートが陸のプレートに沈み込む「相模トラフ」のプレート境界で発生していることから「この辺りはM5級の地震が頻発する地域ではない。少し注意深く見ていく必要がある」と話した。【垂水友里香、大野友嘉子、鳥井真平】

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