北海道は19日、長谷川岳参院議員(北海道選挙区)が昨年10月に参院地方創生・デジタル特別委員長に就任した際、鈴木直道知事を含む特別職6人と部長職23人が、祝電を送っていたと明らかにした。事前にメールで「祝電送付予定者リスト」を共有するなどし、道が組織的に取りまとめを行っており、事実上、祝電の送付を促していた。他の国会議員にない特別な対応だが、道は「送付は幹部ら各自の判断に任せており、組織的な依頼の意図はなかった」と釈明した。
長谷川氏を巡っては、道が国の予算成立時などに「お礼」方法に関する一斉メールを各部に送っていたことが明らかになっている。
道によると、祝電は鈴木知事が公費で送り、他28人が私費で送っていた。
取りまとめをしていたのは、道の東京事務所の担当者で、上司の行政課長や東京事務所長に相談や報告を行っていた。各部の総務担当者などにメールや電話で、他部の幹部職員が祝電を送付するかどうかを記載したリストを伝えていたという。リストは送付予定者が増えるたびに更新され、数回にわたって共有されており、各部長が祝電の送付を判断する際に影響した可能性がある。
道はリストが共有されていた経緯について、「長谷川氏の言動を威圧的と受け止めた職員の萎縮や恐怖心がこのような対応を招いた可能性はある。特定の議員への祝電を依頼したと取られるような対応は適切でなく、取りやめる」とした。
鈴木知事は19日の定例記者会見で「祝電はその議員との関係がある場合に個人の判断で送るもの。送らなければいけないんじゃないかと同調させるようなやり方は適切でない。改めるべきものだ」と指摘した。【金将来】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。