東京医科大学正門=東京都新宿区(萩原悠久人撮影)

私立大支援事業で便宜を図ってもらう見返りに元文科省科学技術・学術政策局長の佐野太被告(64)=受託収賄罪で控訴審公判中=の次男を東京医科大に合格させたとして、贈賄罪などに問われた同大前理事長の臼井正彦被告(83)ら3人の控訴審判決で東京高裁は19日、3人を執行猶予付き有罪とした1審東京地裁判決を支持し、被告側の控訴をいずれも棄却した。3人はいずれも上告する方針。

ほかの2人は同大前学長の鈴木衛被告(74)=贈賄罪で起訴=と、元医療コンサルティング会社役員の谷口浩司被告(53)=同罪や受託収賄幇助(ほうじょ)罪で起訴。3人は無罪を主張していた。

判決理由で斉藤啓昭裁判長は、臼井被告らと佐野被告の間で、入試で佐野被告の次男に加点する「共通認識があった」と認定。

次男は自力で補欠合格はしていたものの、加点により正規合格の地位を得ており、加点が佐野被告への謝礼の趣旨を含む賄賂にあたると認めた1審判決に「不合理な点はない」と結論付けた。

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