栃木県警本部=李舜撮影

 2024年上半期(1~6月)に栃木県警が認知した児童虐待は263件(前年同期比7件減)、子どもの人数は371人(同20人減)だった。件数、人数のいずれも、統計が開始されて以降最多だった23年に次ぐ水準で、県警生活安全部は、悲惨な虐待死が後を絶たず社会的関心が高まっていること、体罰は虐待だという認識が浸透したことなどを要因に挙げた。

 内訳は、暴言や脅し、きょうだい間の扱いに著しく差をつける、目の前で配偶者に暴力を振るう――などの心理的虐待が159件(246人)▽身体的虐待が67件(73人)▽ネグレクトが33件(46人)▽性的虐待が4件(6人)。このうちネグレクトは前年同期(25件38人)を上回り、統計開始以来最多となった。

 事件として検挙された件数は11件で、暴行・障害5件▽監護者わいせつ3件――など。21年以来3年ぶりに殺人・殺人未遂が2件発生した。母親が無理心中を図り4歳と2歳の兄弟が死亡した事件と、母親が小学生の子どもの首を絞めた事件で、県警は「子どもの安全確保を最優先に、対応に万全を期したい」と話した。緊急性の高いケースは認知段階から検察、児童相談所と連携しており、24年上半期に3機関による聴取実施は12件(同4件増)あったという。

 県警の難波健太本部長は「地域の目が重要になる。一般の方々にも認識していただき、何かあれば警察につなげてもらうようお願いしたい」と話した。【藤田祐子】

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