新型コロナウイルスの全国の患者報告数が11週連続で増加するなか、都内の薬局ではせきどめなどの薬不足が起きています。

■薬不足の原因は、複数の感染症の流行

 薬の収納棚を見てみると、1錠や数錠しか入っていないケースがあります。なかには、完全に空っぽになっているケースもあります。

かける薬局 上石神井店
阪口悟志さん
「せきどめを中心に風邪の薬が全般的に薬が足りていない状況。どんどん熱さましや痛み止めの薬も少なくなっている。(一部は)入ってきたとしても数日でなくなってしまう感じ」

 薬不足の原因は、新型コロナをはじめとした複数の感染症の流行。高熱や喉の痛みなどに効く薬に需要が集中し、足りなくなってきているのです。

阪口さん
「この2〜3週間で新型コロナ陽性の患者がとても増えてきて、子どもだと手足口病や溶連菌が多くいらっしゃった。(今週は)インフルエンザの方が出た。今週で2人ほどいらっしゃった」

■「ドミノ感染」猛暑で免疫低下

 26日も薬局にはせきが止まらないという女性が…。

女性(35)
「(病院で)PCR検査をやって、検査結果はあすまでに。先週は手足口病に子どもも私もかかって。やっと治ったと思ったら、また風邪ひいちゃって…」

 手足などに発疹が出る「手足口病」にかかったという女性。やっと治ったと思ったら、再び体調不良になりました。

いとう王子神谷内科外科クリニック
伊藤博道院長
「暑さで体が弱り、鼻や喉の粘膜機能が落ちて『ドミノ感染』が起こりやすくなった」

 立て続けに感染症にかかる「ドミノ感染」。現在、新型コロナ感染者が急増しているのも、記録的な暑さが原因だと医師は指摘します。

伊藤院長
「(新型コロナが)5類に移行して初の非常に勢いある夏の感染状況。梅雨の前から暑さ対策が必要で、換気が不良になりがちだった。5類に移行して感染予防意識が薄れる中で不意を突かれた」

■感染力が強い新変異株「KP.3」

 厚生労働省は26日、全国の新型コロナの患者について、11週連続で増えていると明らかにしました。

 患者の数は6万7000人を超え、前の週のおよそ1.2倍に上っています。

 現在、猛威を奮っているのが変異株の「KP.3」。医師は「感染者のおよそ9割がかかっている」と警戒を強めています。

伊藤院長
「(KP.3は)変異株の中で最も感染力が強いレベル。(新型コロナに)今まで感染してなかった人もかかりやすい状況。感染したことがある人も感染する」

(「グッド!モーニング」2024年7月27日放送分より)

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