大阪府警本部

 大阪市内の拠点が一斉捜索されたSNS型投資詐欺事件で、大阪府警は24日、新たにグループのメンバーら19~45歳の男女82人を詐欺や詐欺未遂の疑いで逮捕したと発表した。大半がSNSに虚偽のメッセージを入力する「打ち子」とみられる。これまでにリーダー格を含む8人が逮捕されており、逮捕者は計90人になった。府警は少なくとも全国の約150人から約10億円をだまし取ったとみており、実態の解明を進めている。

 グループは二つに分かれ、いずれも大阪市内に拠点を置いていた。府警は23日、関係先のビル4カ所を約470人態勢で一斉に家宅捜索し、一方のグループでリーダー格だったとされる自称会社役員の山田吉彦(43)と自称行政書士の島内大起(40)の両容疑者ら8人を逮捕。その後もビルにいたメンバーらの関与を調べていた。

 山田容疑者らは2~3月、為替相場の上下動を予想する金融商品「バイナリーオプション」への投資の講師になりすまし、愛知県の20代女性にSNSのメッセージ機能を使って投資に勧誘。「必ずもうかる方法がある」とうその説明を繰り返し、指導料や商材の購入費として約90万円を詐取するなどした疑いが持たれている。府警は全員の認否を明らかにしていない。

 府警特殊詐欺捜査課によると、山田容疑者のグループは友人らに「簡単に稼げる仕事がある」と誘い、口コミでメンバーを増やしていたとみられる。捜索で押収した約1830台のスマートフォンには、架空の講師役が悪用していたとみられるSNSのアカウントが残されていた。

 バイナリーオプションの取引を巡っては、SNSを利用する20代を中心にトラブルが相次いでおり、国民生活センターが注意を呼びかけている。【川地隆史】

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