トラブルで自力航行ができなくなり、海上保安庁の船に救助される東海汽船のジェット船=千葉県・房総半島の南海上で2024年7月24日午後1時10分、本社ヘリから前田梨里子撮影

 24日午前10時ごろ、千葉県の房総半島の南海上で、東海汽船の高速ジェット船「セブンアイランド愛」(約280トン)の船長から「かじが利かなくなり、自力航行が不能になった」と通報があった。第3管区海上保安本部によると、ジェット船には乗客116人と乗員5人が乗っており、けが人の情報はないという。船内に油が漏れて油圧が低下したとみられる。

 同保安本部などによると、ジェット船が漂流していたのは千葉県の房総半島南端の野島崎から南西に約20キロ離れた海上。海保の巡視船が駆け付け、伊豆大島(東京都大島町)の岡田港に向けてえい航している。翌25日未明に到着する見込み。

 乗客3人が船酔いで体調不良を訴え、救急救命士の資格を持つ海保の隊員がジェット船内で対応している。食料や水も船内に届けられた。同社によると、エアコンなどは通常通り作動しているという。

 現場海域は荒れており、えい航作業は巡視船から同社手配のタグボートにいったん変更された。しかし、それも難航したため、再び巡視船がえい航することになった。

 ジェット船は東京・竹芝桟橋を24日午前7時45分に出発。9時10分ごろ、「機関故障を起こした」と同社に連絡があった。点検作業を続けたが、9時50分ごろに操船できなくなり、海保に通報したという。本来は伊豆諸島の式根島に午前10時5分に到着する予定だった。【柿崎誠、西本紗保美】

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