8日に静岡県下田市の海水浴場で行方不明になった20代の女性が、36時間ぶりに、直線で80キロほど離れた千葉県沖で発見され、タンカーの乗組員が飛び込んで救助しました。

■「諦めるな!」タンカー乗組員が救う

10日午前8時ごろ、千葉県南房総市の沖合。大型船が行き交う海上で、浮き輪に入った水着姿の女性を、貨物船が発見しました。そして、状況を知った近くを航行していたタンカーの乗組員2人が海に飛び込みました。

女性を救助した金城さん
「最初は乗組員が落ちたのかと。みんなで『諦めるなよ!』『諦めるなよ!頑張れよ!』とみんなで叫んでいました。2メートルの波がずっと上下しているので、ちょっとロープを引っ張られて、波の高さで上がったり下がったり。船の一番低いところから海面まで3メートルのハシゴを出したけど、自力では上がれないくらい衰弱しているのが見えた。ロープ握っているのがやっとみたいな感じだった」

女性を救助した吹上さん
「衰弱というか、放っておいたら沈むんじゃないかと。僕らが体にロープをかけて、かかったのを見て、残りのメンバーが思いっきり揚げました。命に別状がなかったので、僕らはほっとしています」

命を救ったのは海で働く人たち。チームプレーで30分ほどかかったといいます。女性は脱水症状があり、点滴を受けましたが、意識ははっきりしていて、命に別状はないということです。

■遊泳中に流され…なぜ発見できた?

浮き輪の女性は8日、静岡県下田市にいました。午後7時30分ごろ、友人と遊んでいた20代の中国籍の女性が沖に流され、行方不明に。白浜大浜は美しく人気の海水浴場ですが、今年の海開きはまだです。この白浜大浜でいなくなった女性が2度の夜を越え、南房総沖11キロのあたりを漂っていました。

まさに奇跡の救出劇。専門家はこう分析します。

水難学会 斎藤秀俊理事
「(海流が)下田から見ると西から東に流れていたのが今年の特徴。一言で言うと比較的穏やかな海象」

大雨が降らなかったことなど、様々な条件が重なりました。さらに…。

水難学会 斎藤秀俊理事
「館山沖は大型船がすごい数、毎日行き来している。船の高速道路みたいなところ。ひかれる可能性もある。うまく発見されたのは奇跡中の奇跡」

万が一流された場合は、浮き輪に体を入れ、体力を温存することが大事だといいます。

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