東京都知事選挙は現職の小池百合子氏(71)が圧勝で、3期目の当選を果たしました。小池氏のライバルと見られていた蓮舫氏は、2位にも届きませんでした。
■全13カ所の街頭演説での発言をもとに…“勝因”を分析
現職 小池百合子氏 この記事の写真 現職 小池百合子氏「皆さま、この度、都民の皆様方の力強いご支持を賜りまして、3期目、この大東京、都政のかじ取りをお任せいただきました」
今回の投票率は前回を5.62ポイント上回る60.62%を記録。そのなかで小池氏は得票数291万8015票と圧倒的な強さを見せつけ、3期目の当選を決めました。
「百合子」コールにかぶせるように響く「やめろ」コールしかし、今回の選挙戦は「百合子」コールにかぶせるように響く「やめろ」コール。激しい声に、演説が一時中断する場面もありました。
演説中に男が受け取ったビラを選挙スタッフに投げつけたとして、逮捕者も出る事態となりました。
選挙を振り返る小池氏 小池氏「街頭ではヤジや大合唱があり、本当にこれまで経験したことのないような、選挙戦でございました」
今までにない選挙戦で、小池氏はどんなことを都民に“訴え”てきたのでしょうか?
小池氏の“訴え”とは? 小池氏(先月22日 八丈島)「島には島の課題がある」 小池氏(先月29日 東京・北千住駅)
「地震にも強い、東京にしてまいりたい」
全13カ所の街頭演説での発言をもとに“勝因”を分析してもらいました。
立命館大学 樋口耕一教授 立命館大学 樋口耕一教授「それぞれの地域ごとのテーマと、中心的なテーマと両方が準備されているのが、きちんと練られているなという印象を受ける」 地域によって、どのようなテーマを話したかを分析した図
地域によって、どのようなテーマを話したかを分析した図です。離島や郊外では「高齢化」、都心部であれば「地震」や「首都高」など、演説場所や集まった人に応じて演説内容を変化させた小池氏。そんな中でも「命」や「子育て」といった“柱”となる政策は地域を問わず、強く押し出していました。
小池氏(先月23日 東京・青梅市)「命を守り」 小池氏(2日 東京・秋葉原駅)
「チルドレンファースト、子育て」 小池氏が、どこでも必ず話していた内容 樋口教授
「“子育て”とか“チルドレンファースト”については、どこでも必ず話していた内容になります。ですから、それだけ力が入っているということですね」
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■蓮舫氏「失意泰然」ここまで差がついた理由は?■蓮舫氏「失意泰然」ここまで差がついた理由は?
一方、「反自民・非小池」で知事選に打って出た蓮舫氏(56)。
蓮舫氏 蓮舫氏「どうして小池百合子さんは、チャレンジャーである、新人である私と公開討論会に出てくれないのでしょうか」
一時は激しい追い上げとも報じられましたが、ふたを開けると128万3262票と、2位どころか3位という結果。その得票数は、小池氏の半数にも届きませんでした。
結果を受けて… 蓮舫氏「(Q.結果をどう受け止めている?)失意泰然だと思います。ただ、多くの方に本当に本当に温かい言葉と応援をいただき、そして、私も思いを本当に心から訴えることができた、そういう戦いだったと思っています」
事務所を退出する際には、涙をこらえるような表情を見せていました。なぜ、ここまで差がついてしまったのでしょうか?
政治ジャーナリスト 田崎史郎氏 政治ジャーナリスト 田崎史郎氏「蓮舫さんの敗因は、無党派層をあまり取り込めなかった。蓮舫氏の落選は、立憲民主党と共産党にとっては痛手です」
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■石丸氏…今後について驚きの発言■石丸氏…今後について驚きの発言
石丸伸二氏(41)その“無党派層”を大きく取り込んだのが、石丸伸二氏(41)です。
石丸氏(41)「楽しい選挙、楽しい政治をここで作り上げるんです」
165万8363票と2位になっている石丸氏です。ANNなどの出口調査によると、無党派層の支持は4割近くと、小池氏以上の支持を得ました。
さらに、10代から30代の若い世代では、こちらも小池氏を抜きトップ。YouTubeやSNSを活用した戦術で、若者からの支持獲得に成功しました。
石丸氏「胸を張ってできることは全部やったと、言い切れます」 石丸氏「今回、この選挙に際して、本当に全力を尽くせたなと感じます。胸を張ってできることは全部やったと、言い切れます」
選挙後、そう話す石丸氏から、今後について驚きの発言がありました。
今後について驚きの発言 石丸氏「(Q.国政にもという思いは?)選択肢としては当然考えます。例えば広島1区。岸田総理の選挙区です」
石丸氏の戦い方は、今後の選挙にも大きな影響を与える可能性があります。
石丸氏の戦い方は、今後の選挙にも大きな影響を与える可能性も 田崎氏「新聞・テレビでは判断しない層が、どんどん大きくなっている。その層の人たちはどこで情報を取っているかというと、ネットです。そのネットで情報を発信していって、その人たちの層に刺さるようにしていく。そういう工夫は今後、他の政党も必要だと思います」
(「グッド!モーニング」2024年7月8日放送分より)
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