異例ずくめ都知事選　不適切ポスター巡り与野党から法改正の声　掲示板スカスカも

　過去最多56人が立候補した東京都知事選挙は、ポスターの掲示板も注目されました。番組が週末に撮影した掲示板です。不適切なポスターが貼られたり、多くの掲示板で空きが目立ったりと異常な状態となっていました。

■掲示板の枠を埋め尽くす前代未聞の行為

　フタを開けてみれば現職・小池百合子氏（71）の圧勝で終わった東京都知事選。

　3週間近くに及んだ選挙戦の裏で、街中には目を疑うような光景がありました。ある掲示板では、動物のキャラクターが書かれた同じ種類のポスターがずらっと貼られています。候補者とは関係なさそうにみえます。

　ある政治団体が24人の候補を擁立し、団体に寄付した人に掲示板の枠を与え、まるでポスター枠の販売行為が行われました。その中には、風俗店の広告まで出る始末。警視庁が警告を出す事態となりました。

　こうした問題を巡って、与野党からも発言が相次ぎました。

　問題となったポスタージャック。お金を払って、自作のポスターを貼った男性に話を聞きました。

　ただ、この男性、選挙戦の途中でポスターを剥がすことになりました。

　掲示板の枠を埋め尽くす前代未聞の行為ですが、すべて埋まったわけではありません。

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■1人で自転車で回ってポスター貼り「資金と人員の差かな」

　番組では、都内およそ200カ所の掲示板を調査。そこには、立候補者のために用意された掲示板が空白のままになっています。8割ほどの掲示板は半分以上ポスターが貼られていませんでした。都内には1万4000の掲示板が立てられましたが、この政治団体がいわゆる販売行為ができたのは1000カ所しかなかったのです。

　空白のままの掲示板。その一方で、全く別の理由からポスターを貼ることができなかった候補者もいます。

　選挙も大詰めとなった5日、自転車に乗って現れたのは、今回初めて立候補した野間口翔氏（36）。届け出順は1番となりましたが、ポスターはあまり見かけませんでした。

　その理由とは。

　なんと、1人で自転車に乗ってポスターを貼っていたのです。

　他の候補者が公開しているマップをもとに、掲示板の位置を調べる野間口氏。次の掲示板へと移動します。

　掲示板の場所を確認しているようです。立ち止まって確認したり、道を間違えたりと、たどり着くのも一苦労。ようやく1枚ポスターを貼ることができました。

　この日、活動を終えたのは、日をまたいで午前2時半すぎとなっていました。

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■8度目の挑戦 最高齢のドクター・中松氏（96）

　56人もの候補者が乱立し、物議を醸すこととなった今回の都知事選。そのなかには、おなじみのこの人もいました。

　「けしからん、けしからん。単なる遊びとか売名行為とか、目立ちたいとか」と話すのは、御年96歳、候補者の中で最高齢のドクター・中松氏です。今回で8度目の都知事選挑戦となります。

　激しい雷雨に見舞われた6日の選挙戦最終日。車の中から訴えを続けます。

　回った地域の思い出話を織り交ぜながらの演説。96年の経験から取り組もうとしているのは、災害対応です。

　第2次世界大戦で東京大空襲を経験した中松氏。災害によって、同じような惨劇が起きないために、という思いで選挙戦を戦ってきました。

　そして、迎えた7日午後8時。目を潤ませながら、じっとテレビを見つめました。8度も挑戦してきた都知事選。それでも10年ぶりだった今回の選挙を終えて。

（「グッド！モーニング」2024年7月8日放送分より）