安倍晋三元首相が銃撃された事件から2年を迎え、現場近くで手を合わせる人=奈良市で2024年7月8日午前8時50分、山崎一輝撮影

 安倍晋三元首相が奈良市で参院選の応援演説中に銃撃されて死亡した事件から2年を迎え、さまざまな宗教の信者を親に持つ「宗教2世」の当事者団体「宗教2世問題ネットワーク」は8日、声明を発表した。「宗教2世問題は根本的な解決には程遠いのが現状」と指摘し、当事者への支援体制の整備などを求めた。

 声明では、安倍元首相の死去について「心よりご冥福をお祈りします」とした上で、2年を振り返り、信仰を背景とした児童虐待への対応指針を国が策定したことや、「霊感」を悪用した寄付勧誘などを禁止行為とした不当寄付勧誘防止法が成立したことなどを挙げ「一定の変化が認められた」とした。

 ただし、信仰を背景とした児童虐待への対応については既存の法令の活用にとどまるとし、「今なお声を上げられない多くの子ども・若者がもがき苦しんでいる、現在進行形の重大な人権侵害」と指摘。「根本的な解決に向けて支援と(被害)防止の両面から、具体的かつ効果的な取り組みを速やかに進めることを強く望む」と訴えた。【野口由紀】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。