安倍晋三元首相が銃撃された事件から2年を迎え、現場近くで献花する人たち=奈良市で2024年7月8日午前9時3分、山崎一輝撮影

 安倍晋三元首相(当時67歳)が参院選の応援演説中に銃撃されて死亡した事件は8日、発生から2年となった。事件現場となった奈良市の近鉄大和西大寺駅前に設けられた献花台には多くの人が訪れ、安倍氏の遺影に手を合わせたり、花を手向けたりしていた。

 現場は事件後、車道として整備されている。献花台は自民党奈良県連が近くの広場に設置。安全を確保するため、献花台の周りは柵で囲われ、訪れた人たちの手荷物検査が実施された。

 花を供えた無職の南里(なんり)敏子さん(77)=大阪府羽曳野市=は「なぜ安倍さんが対象になったのか、動機を知りたい。暴力で解決しようとするのは言語道断だ」と語った。会社員の細川浩司さん(68)=京都市右京区=は「安倍さんは政治方針に軸があり、尊敬できる人だった。許せない」と憤った。

 一方、安倍氏の慰霊碑がある奈良市の三笠霊苑にも献花台が設けられた。安倍氏は当時、佐藤啓参院議員の応援演説中だった。この日、取材に応じた佐藤氏は「安倍先生の偉大さをこの2年間で感じている。痛ましい事件を忘れることなく、ご遺志を仲間と引き継ぐ決意をした」と語った。

 事件は2022年7月8日午前11時半ごろ発生。安倍氏は背後から近づいてきた山上徹也被告(43)=殺人罪などで起訴=に手製の銃で銃撃され、約5時間半後に搬送先の病院で死亡した。【木谷郁佳、川畑岳志、山口起儀】

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