NHKは17日、今年10月に23年ぶりに基本給を底上げするベースアップ(ベア)を実施することを明らかにした。管理職以外の業務職約5800人の基本給を平均で1・92%、月額6500円引き上げる。今月上旬、労働組合と妥結したといい、稲葉延雄会長は17日の定例記者会見で「同業他社の賃金を参考にすると、若年層の見劣り感があり、そこを修正する」と述べた。
同局によると、今回のベアは、新人も含めた若年層の処遇改善を目的としたもので、増額の範囲は月額5000~9000円。退職手当や年金の額も基本給の増額に合わせて増える。
NHKは昨年10月の受信料1割値下げにより、2026年度まで赤字予算が続く見通しで、24~26年度の中期経営計画では1000億円規模の事業支出削減を発表している。稲葉会長は「支出削減と放送サービス確保の両立というチャレンジングな計画になるが、これには大幅な生産性の向上が不可欠」と語った上で、「今回の労使交渉で、労組側から労働生産性の向上に取り組む強い意志、覚悟が示されたので、そうした取り組みに先行的に報いる観点から、ベア実施を決定した」と意図を説明した。【井上知大】
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