泥酔状態で口論、インターネット上に不適切な投稿――。免職や停職など群馬県が公表している懲戒処分以外の県職員の不祥事について毎日新聞が情報公開請求を行ったところ、これらの事案が明らかになった。一方で、セクシュアルハラスメントの事案では、ほぼ黒塗りの文書が開示され、どのような問題が起きたのかが外部には全くわからず、検証が困難なものもあった。【庄司哲也】
県は一定の基準に基づき、免職や停職などの懲戒処分を公表している。だが、懲戒処分には該当しない訓告や口頭注意などの行為については、ほぼ公表されておらず、毎日新聞はそれらも含め2019~23年度の5年間の県職員の不祥事について情報公開請求を行った。開示されたのは被処分者の監督責任を問われた上司らを含む500人以上で、所属や氏名は黒塗りで伏せられていた。厳重注意や口頭注意の多くは交通事故が占めていた。
事故以外では懇親会などに参加して飲食後に泥酔状態となり、路上で通行中の男性と口論となるトラブルを起こした上、警察署に保護された職員が20年7月、厳重注意となっていた。
別の職員は酒に酔い高崎市のスーパーで男性客と口論になりもみあいに発展しけがをさせるトラブルを起こし、21年7月に訓告を受けていた。
職員がX(ツイッター)に不適切な投稿を行ったとして23年9月に厳重注意を受けたが、記録では「インターネット上に不適切な投稿を行った」とあるだけでどのような内容かは不明だ。別の職員は勤務時間中にSNS(ネット交流サービス)の閲覧、投稿を繰り返していたとして訓告を受け、さらに11人が監督責任を問われた。
また、20年12月に口頭注意となったハラスメント事案は、「セクシュアル・ハラスメント行為があった」と一文があるだけで、7ページにわたって黒塗りで開示されており、どのような事案なのかはわからない状態だ。県は「個人の利益を不当に侵害する恐れがある」と説明している。
このほか、未決裁文書に使用しようと公印保管場所を無断で開けて公印を取り出し23年5月に厳重注意を受けたケースや、財産有効活用課(管財課)の職員が11~15年度の間に県庁舎内の拾得物の一部を警察に届け出るなどせずに放置し同年10月に厳重注意となった事案など、公務へのモラルが問われるような事務処理も起きていた。
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