防災気象情報の名称改善案

 気象庁と国土交通省は18日、洪水や土砂災害などの防災気象情報について、見直しを議論してきた検討会の最終とりまとめを公表した。名称にばらつきのあった各種警報を整理し、シンプルで分かりやすい名称に統一する。実際の運用開始は2026年春ごろになる見込み。

 見直しの対象は洪水、大雨、土砂災害、高潮に関する警報や注意報。内閣府は19年から、災害の警戒レベルを5段階に分類。21年からは、「高齢者等避難」(レベル3)、「避難指示」(レベル4)、「緊急安全確保」(レベル5)など危険度に応じた名称となった。

 これまでは、それぞれの災害の警戒レベルに各警報を当てはめてきたが、名称にばらつきが出て複雑化していた。例えば土砂災害では、レベル2が「大雨注意報」で、レベル4は「土砂災害警戒情報」と統一性がなく、危険性の高まりも分かりづらかった。また、大雨警報と洪水警報はレベル3なのに対し、高潮警報はレベル4で、警報の名称と警戒レベルの整合性も取れていなかった。

 最終とりまとめでは、警戒レベル5相当の情報は「特別警報」▽レベル4は「危険警報」▽レベル3は「警報」▽レベル2は「注意報」――と統一。災害ごとに「土砂災害特別警報」「大雨危険警報」などとして発表すべきだとした。

 また、災害の一因となる線状降水帯の発生について伝える「顕著な大雨に関する気象情報」は「気象防災速報(線状降水帯発生)」と名称を変更するのが望ましいとしている。

 検討会は22年1月に設置され、各分野の有識者が議論してきた。気象庁と国交省は今後、検討会のとりまとめを基に法制度などを確認し、最終的に名称を決定する。【木原真希】

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