楽寿園小浜池前で三島市の担当者(右)の説明を受ける移住ツアー参加者=静岡県三島市一番町で2024年5月25日、石川宏撮影

 移住先として人気が高い静岡県東部の三島と沼津の両市合同の移住ツアーが5月25日開かれ、首都圏からの移住を検討している6組9人が参加した。昨年8月5日に初めて開き、今回で3回目。昨年12月23日の2回目に参加した1家族5人が移住した実績もあり、両市は継続開催を決めている。【石川宏】

 三島駅南口に午前9時半に集合した一行は新緑まぶしい楽寿園や源兵衛川の水辺を散策し、豊かな自然を実感。三島市民文化会館で両市に移住した先輩から説明を聞き、車座になり意見交換した。先輩女性は「移住してお金の無駄遣いが減り、ゆとりが生まれた。半面、刺激が減り流行にうとくなった。レストランや買い物の選択肢は減った」と移住のメリットとデメリットを率直に説明。ツアー参加者は「車なしでも生活できるか?」「ごみの分別は大変か?」「南海トラフ地震の被害予想は?」などと質問していた。午後は沼津市に移動し公園や商店街を見て回った。

 家族で移住を検討中という埼玉県の会社員の女性(49)は「埼玉に比べ夏は暑くなく、冬は寒くない。駅周辺に住めば生活の不便もないと思う。のんびり暮らせそう」。夫婦で参加した東京都の会社員の男性(54)は「東京の人混みに疲れた。所有するマンションが値上がりしているので、売れば手元にお金が残る。戸建てで犬を飼って暮らしたい」と将来図を話した。

沼津に移住した男性(中央)の説明を聞くツアー参加者=静岡県三島市一番町の三島市民文化会館で2024年5月25日、石川宏撮影

 合同ツアーのきっかけは、ある沼津への移住希望者が最終的に三島を移住先に選んだこと。沼津市が三島市に「移住先に三島を選んだ理由を聞くアンケートをしたい」と申し出て、担当者間で話し合う中で、合同ツアーが企画されたという。

 三島市の畠孝幸・政策企画課長は「三島と沼津はライバル関係にあるが、張り合うだけではなく、一緒にツアーをすることでお互いの魅力を見てもらいたい」と話した。

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