学校法人加計学園(岡山市)が運営している千葉科学大が千葉県銚子市に公立化を求めている問題で、有識者らによる検討委員会の初会合が14日、同市であった。同学園側は、公立化が実現しない場合「撤退を考えなければならない」との見解を示し、2025年度以降、募集停止に踏み切る可能性を示した。
検討委で同学園は公立化の要望に至った背景を説明。少子化などの影響で08年度ごろから定員割れが続くようになり、21年度以降はコロナ禍でさらに入学者が減ったとした。23年度の入学者は3学部計228人で定員充足率は47%。大学の収支も7年連続で赤字が続いていると主張した。
一方、検討委のメンバーからは、市税投入のリスクが残る▽公立化が志願者増につながるかがはっきりしない▽公立化の前に学部再編などスリム化が必要――など、公立化を疑問視する意見が目立った。
検討委は学識経験者や教育関係者、地元団体代表など10人で構成。委員長には矢尾板俊平・淑徳大地域創生学部長が選ばれた。今後、月1回のペースで会合を続け、8月に意見をまとめる方針。【近藤卓資】
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