29日午後11時40分ごろ、埼玉県川口市幸町3の路上で、タクシーの乗客の男性が「金を出せ」などと男性運転手(72)を脅した上、拳銃のようなものを発砲した。運転手は腹部を撃たれて全治4週間の重傷を負ったが、命に別条はないという。捜査関係者によると車内から薬きょう1個が見つかり、県警は拳銃を使用した強盗殺人未遂事件とみて、逃げた男性の行方を追っている。
県警によると、男性は同11時半ごろ、JR赤羽駅(東京都北区)付近から1人で乗車し、事件現場付近に向かうように指示。到着後に停車中の車内で運転手を脅し、後部座席から運転席に向けて拳銃のようなものを少なくとも1発撃ったとみられる。運転手が逃げ込んだ近くのコンビニエンスストアの店長が110番した。車内には現金が散らばっていたといい、県警は盗まれたものがないか調べている。
男性は現場から徒歩で逃げたとみられ、タクシーのドライブレコーダーに姿が映っていた。50~60代くらいの短髪で黒いキャップ帽をかぶり、上下とも黒い服を着て眼鏡をかけていたという。拳銃は見つかっていない。
現場はJR川口駅から北に約370メートルの住宅街。川口市教育委員会によると、事件現場近くの小学校では、安全確保のため児童を集団下校させたり、教員による見守り体制を強化したりする対策をとった。
けがをした運転手が働くタクシー会社の同僚は「長く運転手をしているが、強盗なんて初めて。なんてバカなことするのか」と憤った。別の男性社員は「ただただ驚いている。こんな事件が起きてしまうなんて。一刻も早く解決してほしい」と話した。【安達恒太郎、田原拓郎、加藤佑輔】
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