コロナ禍を乗り越えて新たな出発を果たした飲食店です。熊本市の40歳の店主が長年の夢をかなえたいと挑戦を続ける姿を追いました。
去年12月、熊本市中央区水道町の『路地裏ごはんきむら』です。忘年会のお客さんでにぎわう中、予約の電話も次々とかかってきていました。
店主の木村 将吾さんは40歳を迎えることしに向けて、この店を閉めるという決断をしていました。
【木村 将吾さん】
「もう1回、自分の本当にやりたい、もうちょっとこじんまりとした目の届くような所でやりたいなと」
人気の中、突然の閉店にアルバイトとして働く学生たちは。
【学生】
「自分はあまり何も聞いていなくて、(閉店すると発表した)当日、いったん、真っ白になってまぁ話を聞いていくとなるほどなとなりました」
「こんなに温かい職場はないので、すごく寂しい気持ちになりました」
【木村 将吾さん】
「(閉店すると)打ち明けた時はやっぱり皆さん驚かれる。『え、なんで?お客さん多いじゃない』と。『辞めるのやめてよ』と言ってくださったりとか」
元々、寿司を出す飲食店で修行を積んだ木村さん。自分の店で寿司を握ることは、長年の夢でした。
【木村 将吾さん】
「自分がやりたいからやる、好きだからやる、ということが仕事にできて最高だなと思っているので、まぁ後悔はしていないですね」
コロナ禍の休業や時短営業も乗り越え7年。自分の夢をかなえるため、前向きな気持ちで去年12月に店を閉めました。
新しい店は、『きむら』の2号店として新町に出していた唐揚げ店を改装してオープンします。
改装工事を行うのは、水道町の店も手掛けた神尾建築代表の神尾 和秀さん。実は木村さんとは幼稚園からの同級生だといい、新たな夢への一歩を後押しします。
【神尾 和秀さん】
「同級生だし、うれしい限りです。昔から変わらず、誰にでも平等に接するすごく人間味のある人だと思います。常に先のことを考えているんだなといつも思っています」
【木村 将吾さん】
「やっぱり1人じゃできないので、こうやって応援してくれる人がいるからこそ
今回もこうやってできるし」
これまで使っていなかった2階にも席を作るため、この日は階段をはがす作業に追われていました。
そして、約1カ月後。4月24日、オープン前日です。店内には、前の店の常連客が集まっていました。
【常連客たち】
「料理のおいしさと常連さんの心の温かさに惹かれて」「週3くらい来てたんじゃない?」「週3くらい来てたね」(今回は日曜日だけお休み)「週6の可能性が出てきましたね。楽しみやね。また飲む量が増えるわ(笑)」
新しい店の名前は『鮨と馬刺し、時々肴 きむら』です。
1階は和の雰囲気、そして、2階はステンドグラスのライトが輝くなどモダンな雰囲気を目指したといいます。
【常連客】
「すごい、市電が見えて。気分よく飲めそうな気がします」
当面は1階のカウンターで寿司がメインのコース料理を、そして2階の個室では
単品料理を提供する予定です。
※寿司のコース 9800円(税込み)
【木村さんと常連客】
「うまっ!うまいです!」「うまいですか!よかったです!」
【木村さんと常連客】
「うちのシャリは赤酢でも米酢でもなく黒酢で作っています」
「だけんちょっと甘みがあるったい」
「握り加減も最高!硬すぎず、どちらかと言うとほろっとする感じ。魚と結構混じりあう感じ」
【木村さんの下積み時代の同僚】
「いやあ、おいしいです。ネタも脂が乗っていて、シャリも柔らかくておいしいなって。幸せですね」
改装期間中の約4カ月ぶりの再会。カウンター越しに笑顔があふれます。
【木村 将吾さん】
「自分は料理をしているとき、お寿司を握っているときが一番楽しいんですよね。
前と違って狭い分、目の前でお客さんと目を見て話しながら意見を聞けるというのがやっぱりなんていうのかな。飲食店やっていてよかったなという醍醐味だと思います」
コロナ禍を乗り越え、人気居酒屋を切り盛りしてきた木村さん。新町で夢をかなえる新たなスタートを切りました。
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