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 タコの価格が高騰している。総務省によると、統計以来初めてマグロの価格を超えたという。

■日本食ブーム 世界各地でタコ争奪戦

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 日本人にとって庶民の味だったタコ。今、そんなタコに異変が起きている。

タコ“高級魚”に?

 都内の鮮魚店「魚河岸中與商店・武蔵小山店」を訪ねると、なんと“高級魚”マグロの中トロよりも、タコのほうが高い?

前里芳樹店長 
「タコはすごく高騰しております。そして隣にありますのがメバチマグロの中トロでお値段のほうが100グラムあたり600円(税抜き)。(タコは)もう高級ですね。昔だったら考えられないような状況が続いておりますね」

 総務省の調査によると、東京23区のタコの小売価格は今年、統計以来初めてマグロの価格を超えた。これにはお客さんも驚きを隠せない。

客の反応 買い物客 
「(タコは)リーズナブルなイメージがあったんですけど、それはちょっとありえないっていうか許せないっていうか」
「今はちょっと無理ですよ。たこ焼きするもの。タコの代わりに何入れようかなって」

 あるお客さんが魚売り場で手を伸ばしたのは、マグロだ。

買い物客 
「マグロにします。(タコが高くて)ビックリ、買えない。うちなんか家族5人なんで、こんなの本当に秒でなくなっちゃうんで、買えないです」

 買うのにも躊躇(ちゅうちょ)するほど高騰するタコ。その品ぞろえにも異変が起きている。

前里店長 
「国産しか置いていないですね。3カ月ぐらい前までは海外産のタコも置いていたんですけど、海外産のほうがすごく高騰して、今は販売をやめている」

 これまで日本で販売されている安いタコの多くは、モーリタニアやモロッコなどの海外産だったが、この海外産のタコも今は高騰しているという。

前里店長 
「海外のほうですと欧米の需要。今までは食べていなかった国が好んで食べているので、世界的にタコの争奪戦が起きている」

 世界的な日本食ブームもあり、世界各地でタコの争奪戦が始まっているという。

前里店長 
「例年(正月に向けて)値段はそんなに変わらないけれども、(今年は)2割〜3割ぐらいお値段が高くなってしまいます」
「(Q.さらに高くなる?)高くなってしまいます」

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■仕入れ値の高騰 苦しい飲食店

■仕入れ値の高騰 苦しい飲食店

苦しい飲食店

 透き通るほど美しい身をした新鮮なタコ。香り高いだしに、さっとくぐらせて食べる名物・たこしゃぶが人気のタコ料理専門店「たこや三忠」の厨房(ちゅうぼう)には、仕入れたばかりの国産タコが並んでいる。

佐藤由之店主 
「きょうも(タコ)高かったですけれども、きょうはこの2杯。1キロ3000円ぐらいです。2〜3年前から(仕入れ値が)1.5倍ぐらいになってきている」

 創業して38年、これほどの高騰は経験がないという。あまりの高騰に、別の食材を加えタコの量を減らしたメニューも考案した。

値上げ

 しかし、今年に入り、ほとんどのメニューを2割程度値上げした。それでも苦しい状況だ。

佐藤店主 
「タコがとれないことが最近多い。日によっては3倍〜4倍という(仕入れの)値段がつくことも。そういう時はやっぱり厳しい。でも(タコが)ないといけない」

 悩みは値段だけではない。

佐藤店主 
「手に乗るようなサイズですからね。大きいのは圧倒的に少なくなった。ここ1〜2年はもう本当にそうですね」

 以前は2キロ〜3キロほどの大きなタコが主流だったが、今は1キロ台の小ぶりなものが多いという。

佐藤店主 
「タコはタコですから、高級なものにならないでほしい」

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■タコ焼きの中には…アスパラガス?

■タコ焼きの中には…アスパラガス?

価格高騰に苦悩

 安さとうまさが人気のタコ焼き店「たこ焼の三久(千葉・成田市)」でも悲鳴が上がっている。

加藤澄子店長 
「開店当初は(1キロ)950円。それが今、3500円以上してるでしょ。タコは年々(値上がりが)すごいですよね」

 「海外産のタコを使っている」というたこ焼の三久では、タコの仕入れ値が創業当時の29年前に比べ、およそ3.7倍に跳ね上がった。

加藤店長 
「(個人経営のため)給料払う人が私しかいないでしょ。だから、給料はほとんど取らないよね」

 加藤店長は「売り上げのほとんどが食材費に消えていく」と嘆く。これまで自分の給料を切り詰めて頑張ってきたが、今月から100円の値上げに踏み切った。

加藤店長 
「どうしてもタコがメインだから、タコがうんと値上がりしちゃってるもので、やっぱり今までの値段だとちょっと厳しい」 大阪玉出会津屋お台場店

 こうしたなか、「タコ以外の具材を使い乗り切ろう」とするタコ焼き店もある。

大阪玉出会津屋お台場店 松尾真由さん 
「(Q.今、何を入れているんですか?)アスパラとチーズを豚肉で巻いたものを入れています」
「(Q.タコじゃないんですか?)そうですね。タコは入ってないです」

 タコ焼きの中に入っていたのは、豚肉に巻かれたアスパラガスだった。評判も上々で人気商品になりつつあるという。

アスパラとチーズ使用 松尾さん 
「(タコが)年々高騰しているので、コストを抑えるためにタコ以外のアスパラ、チーズの商品を入れるようになりました」 徳島からの観光客 
「タコ焼きを求めていたのに、他のはってなりますね。(タコ高騰で)仕方ないのかとは思いますね。アリだとは思うんですけど」

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■インドネシア産ワモンダコに注目

■インドネシア産ワモンダコに注目

ワモンダコの可能性

 ゆでダコなどをスーパーに卸す水産物加工会社「あ印」では、価格高騰を受け、新たな試みも始まった。

 目を付けたのは、日本ではまだほとんど取り扱われていないインドネシア産のワモンダコ。なじみのあるマダコと比べると、頭部が小さく足が長いのが特徴だ。

「あ印」営業部 来栖圭一部長 あ印 営業部 来栖圭一部長 
「比較的価格が安いワモンダコをなんとか加工できないかということで、産地から開拓をしまして、今に至るということです」

 その魅力は、なんといっても安さ。海外産や国産のマダコに比べ、半額近い値段で仕入れることができるという。

来栖部長 
「インドネシア産のタコはあしがマダコよりも長くて、身は皮がしっかりしていて歯切れのよい食感。あしの可食部が多いのが特徴」

 安定的な価格で提供していくため、今後はワモンダコを加工品の原料として増やしていく予定だという。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年12月4日放送分より)

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