帝国データバンクによると、2024年12月に値上げするのは109品目。2024年で一番少ない数となった。しかし、3万品目を超える値上げがあった2023年から家計に厳しい状況は続いていて、2025年春にかけても断続的な値上げラッシュとの見通しもある。これから書き入れ時を迎える洋菓子店では、工夫をしながら値上げの波を乗り切ろうとしていた。
<2025年4月までに約4000品目値上げ>
12月には手軽に食べられるパックご飯が値上げされる。「サトウのごはん」は全商品値上げとなる。そのほか、レトルトパウチ食品や菓子類も値上げとなる。
さらに、1月はパン類や和洋菓子、2月は冷凍食品や小麦粉、菓子類、3月はインスタントコーヒー、4月には酒類・ノンアルコール飲料なども値上げされ、4月までで約4000品目の値上げが予定されている。
<値上げの波は洋菓子店も直撃>
その値上げの波は、少しずつ近付いてきたクリスマスに欠かせないケーキにも広がっていた。ケーキや焼き菓子など約50種類を揃える福島県郡山市の「イルフェボー洋菓子店」。クリスマスでも人気のあるチョコレートを使った「トルテ」は、2023年から約50円の値上げを余儀なくされた。
<カカオの価格が高騰>
これまでタマゴやイチゴ、電気代とあらゆる値上げに直面してきたが、その中でも深刻なのがチョコレートを取り巻く状況だという。原材料のカカオの高騰が影響している。
この店ではチョコレートをこれまで1キロ当たり約2500円で仕入れていたが、現在は2倍以上の6000円に。イルフェボー洋菓子店の鈴木克彦さんは「味変えるわけにはいかないので、頑張るとしか言いようがない」と話す。
その対応策として、チョコレートを使った商品の一部については需要が高まるバレンタインなど時期を限定して販売することにした。
鈴木さんは「買っていただいて初めて商売になる。経営も成り立たないので、お客さんに喜んでもらえるお菓子を作っていかなくちゃいけない」と話した。
終わりが見えない値上げの波。店でも家庭でも、工夫とやりくりを強いられる状況が続きそうだ。
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